112 / 192
真新しい画布 14
「ひぃ……」
喉に貼りつくような悲鳴を出して、白い首が仰け反る。
そこに花でも描いてやれば酷く映えるだろうに。
「気持ち良かったかい?」
「っ ……気持ち良く……なりたいわけじゃ、あ りませんっ」
快楽に目元を紅く染めて、それでも翠也の目は俺を睨みつけてくる。
それが腹立たしくて……
まだ果てていない自身を緩く引き抜き、達した衝撃で震える最奥に向けて再び突き出すと、端整な顔が幼子のようにくしゃくしゃと歪んだ。
そんな顔をさせたいんじゃない。
「……っ」
先端を苛め抜きながら突き上げてやると、細い腕が逃げるように床を掻いた。
「ぃやっ、だ……めっ」
達した直後の体を責め立てられて、過ぎた快感に背が弓なりに反る。
「や……」
「嫌じゃない!」
「出……、ちが、出っ」
がちがちと歯を鳴らしながらずり上がる体を押さえつけ、鈴口に円を描くように指先を這わす。
「ゃ、ゃあっ!」
痛みに近い痺れが、翠也が締めつける下半身から襲う。
「うた、だ、……あっああああっ」
食いちぎられるのではと思えるほどに咥え込まれた逸物はもう限界に近く、共に吐き出すために強情な翠也の中心を苛め抜く。
「あ ────っ」
甲高い悲鳴と共に、ぱちゃりと水気が頬を打つ。
精のように粘り気はなく、さらりとしたそれが胸を濡らした。
「ゃ、やっぃやっ! ちが、ぅ」
粗相したと羞恥に堪えるように自らに爪を立てていた翠也に締めつけられて、奥深くに精を放ってうずくまる。
管の中を擦り上げて出て行く精液を感じて、小さく呻き声が零れた。
互いの腹を濡らすこれは……
「ぃやぁ……すみませ……すみ、ま……っ」
「気にしないで。粗相じゃない、女も責め立ててやったら潮を吹いたから、これもそうだろう」
「ぅ……潮……」
荒い息を吐きながら、あまりのことに呆然としている翠也の太腿に触れた。
そこは自身の出した白濁の液と玉を結ぶ雫で濡れていて、それを擦り込むようにして撫で上げる。
「あっ……ふぅ っ」
ぬるりとした刺激に緩く背がしなって、萎れて項垂れた逸物が押し出されてしまった。
再び手を伸ばそうとした俺に対して駄々をこねるように首を振られて、まだ俺の形にぽかりと洞を開けたそこに指を入れる。
「やっ! 抜い っ抜いてくださいっ!」
蠢き、飲み込もうとする動きとは裏腹に、彼の言葉は拒絶だった。
「どうして?」
「っ! ……や、やっぱり、苦しい……」
そう絞り出して、力の入らない体で這うようにして逃げ出す。
「な 」
なぜなんだ と問いかける言葉は彼の土下座に遮られた。
「……もう、今日限りで、……堪忍してください」
力が入らないせいか無様によろけながらではあったけれど、彼ははっきりと頭を下げる。
ともだちにシェアしよう!