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元の涙
森田「どうする?このままズルズル具合い悪いまま過ごす?もうすぐ入院して一年だね」
元「…っ…グスン……」
一年……。
まさかこんなに入院が長引くなんて思っていなかった。
この一年、外出はさせてもらえてたけど、月に1度っていう制限付き。
周りはみんな一時退院したり治って退院していった。
俺はずっと同じ病室の窓側から動くことなくクリスマスもお正月も病院のベッドで過ごした。
退院したい
こんな毎日毎日先生たちにちんちん扱かれたり、説教されながら過ごしたくない。
でも………
元「ホルモン剤嫌……泣。」
佐々木「吐いちゃうから?」
元「吐くのも嫌だし、注射痛いし……あと……とにかく嫌」
森田「でも、ホルモン治療しなきゃいけないっていうのは理解してるんだよね?」
元「………」
森田「ホルモン治療辞める?
もうしばらく入院していたらいいじゃん。
いいよ、先生達毎日泣くまで元のちんちんしごいてあげるから。時間かかるかもしれないけど、いつかはホルモン値上がってくるよ」
元「………やだ……グスン……
…やればいいんでしょ……
……でも一回退院したい。」
佐々木「一時退院させてあげたいんだけど、今の元の状態だと自宅には戻せない」
元「外泊は?一泊でもいいから」
佐々木「外泊も出来ない」
元「イジワル!!泣。みんなしてるじゃん外泊!佐々木先生俺にだけ厳しい!!」
佐々木「元にだけ厳しくしてるつもりも、他の子達を甘やかしてるつもりもないよ?
外泊とか退院とか羨ましいなら、治療頑張ろう?」
元「…頑張ってるもん!!泣。なんで分かってくれないの!」
佐々木「…ごめん、先生が言葉の選択を間違えた。
元が治療頑張っているのは先生達もわかってるから。
ここ1週間くらいの元さぁ、急に泣き出したり思考がネガティブだったり怒ったり身体が疲れやすかったり、不安定なの気づいてる?」
元「………。」
佐々木「不安定な子を病院の外に出すことは先生心配でできない。
先生たちは、元にまたホルモン治療を受けてほしい。
準備は出来ているから、あとは元のタイミング次第。
気持ち固まったら早めに返事をちょうだい?」
元「…………。」
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