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楽しみがない

【元サイド】 看護師「元君おはよう。お薬まだ飲めてないんだって?」 夜勤の看護師さんから日勤の看護師さんにチェンジの時間であいさつに来てくれたんだけど話すのだるい。 今日身体だるいな……精液検査出来るかな…… 看護師「オレンジジュースも持って来たけど飲む?」 オレンジジュース飲みたい…… 元「……飲む…」 看護師「ベッド起こしてもいい?」 元「自分で起きれる……」 ふぅーっと一呼吸をついて起き上がった。 ちょっとクラクラする…… 看護師「大丈夫?」 元「大丈夫……」 看護師さんからジュースが入ったコップを受け取りゆっくりと飲んだ !! 元「痛い!?」 看護師「どうしたの???」 元「ゔぇ…しみるぅ……」 看護師「口内炎潰れちゃったかな……」 元「しみるぅ…」 唯一美味しく飲めていたオレンジジュースがもう飲めない…… 看護師「元君?」 元「もういらない泣」 コップをテーブルに置いて布団をバサっとかぶった 佐々木「申し送り中?」 看護師「そうなんですけど…泣かせてしまいました苦笑」 佐々木「あれ苦笑。元ー」 竹内「どうしたんですか?」 看護師「口内炎潰れちゃってたみたいなんですけど、オレンジジュースを飲ませてしまって…しみたみたいです」 竹内「なるほど苦笑」 元「楽しくない泣。ご褒美無くなった」 佐々木「そうだねぇ…たしかに唯一の楽しみだったから辛いね。薬は塗ってもらった?」 元「塗ってもらった」 佐々木「口の中は割とすぐに治るからさ、口内炎長引かないと思うから大丈夫だよ」 元「………」 佐々木「顔見せて」 …………。 ゆっくりと布団から顔を出すとにっこりと佐々木先生が微笑んでくれた 元「…薬飲まなくていいよね?」 佐々木「飲まないとダメだよ笑。」 竹内「元一緒に薬飲もう」 佐々木「竹内先生あとよろしくね」 竹内「分かりました」 ・ ・ ・ 元「もう起き上がる元気ない」 竹内「それならベッド上げさせて?」 電動ベッドの頭側がゆっくり上がり、テーブルに大量の薬と水を置かれた 元「薬捨てちゃダメ……?」 竹内「声弱々しくて心配だけど、言ってる事はいつもの元だからなんか安心した苦笑。」 元「…一個なら頑張って飲めるけど…あとパスしたい……」 竹内「全部大事な薬だからさぁ…苦笑」

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