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グズグズっ子現る
【森田サイド】
森田「39.0℃かぁ〜下がらないな。膀胱留置カテーテル挿れようかな」
看護師「分かりました!準備します」
森田「カイト、熱落ち着くまでおしっこの管挿れてベッド安静ね」
カイト「…はい…」
今日はほぼカイトに付きっきりかな……
『森田先生!!!!』
森田「はい?」
……………。
森田「は?」
物凄く聞き馴染みのある声……
森田「こら!なんでここいるの!!」
勇人「森田先生…なんで僕のところ来ないの!!泣」
森田「は?」
勇人「僕だって具合悪いぃ泣」
森田「ちょっと……」
メソメソしながら駆け寄って来るとギュッと抱きつかれた。
森田「どうした……苦笑。眠い?」
勇人「ちがぅぅ……具合い悪い……泣」
森田「ベッドで休んでいればいいじゃん」
勇人「先生来てくれないもん泣」
森田「加藤先生いるでしょ」
勇人「森田先生がいいの!泣」
加藤「あっ!!いたー!」
加藤先生の声が聞こえ、勇人がさらにギュッと俺を掴んできた。
加藤「すみません、目離した隙に部屋から脱走してたみたいで」
森田「俺これからカイトにカテーテル挿れなきゃいけないから一旦勇人回収してくれる苦笑。」
加藤「分かりました」
森田「勇人、後で行くから加藤先生と先部屋戻ってて」
勇人「ダメ!泣。絶対僕の方が具合悪いから森田先生もらう権利ある」
森田「張り合わなくていいから苦笑。」
加藤先生と顔を見合わせて呆れ返っていると、カテーテル挿入の準備をして戻ってきた看護師さんが不思議そうにしていた。
加藤「俺カテーテル挿れますよ苦笑」
森田「……そうだね。
加藤先生こっちよろしく。」
加藤「はい」
森田「勇人、ホントに俺と部屋戻る?
後悔しない?」
勇人「しない泣」
森田「じゃあ、先生と戻ろう」
加藤先生にカイトを託してこのグズグズっ子を連れて集中治療室へ勇人と戻った。
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