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きっかけ②
【森田サイド】
車を走らせたと思えばすぐに赤信号に捕まりなかなか進まず若干イライラして窓の外に視線を移した
(なんだあれ……)
この寒い日に小学生でもあるまいに上着も羽織らずスエット姿でキョロキョロ歩く不審な人物が目に入った
信号が青に替わり車を走らせ、不審な人物を横目でチラッと確認をして目を疑った
「勇人……?」
車を停車させてもう一度後ろを振り返って確認
(やっぱり勇人だな……何やってんだあの子……)
「勇人!!!」
勇人「!!!!」
なぜ逃げる、、、そして逃げ足速いし
・
・
・
俺に気づいた勇人が立ち止まり、車をずっと停車しておくわけにも行かないため車の助手席に乗せた
勇人「…………」
森田「寒い?」
勇人「寒い、、、」
暖房をMAXまで上げてとりあえず俺の上着を膝に掛け、車を走らせた
おそらくLINEの通知はこの件……
安全な場所に停車させて病院に連絡入れなきゃな……
森田「どこ向かって歩いてたの?」
勇人「家……」
森田「勇人家逆でしょ?」
勇人「え!?」
(ただの迷子かよ笑)
勇人「……先生のお家はこっち?」
森田「先生の家も逆」
勇人「先生も迷子?」
森田「違う笑。ドライブして帰ろうと思って」
勇人「ふーん、、、」
理由は想像付いてるけど覇気ないな……そしてまた脱走か……脱走癖ついたかな苦笑。
勇人「…………」
森田「先生とこのままドライブ行くか」
勇人「え!?」
森田「いや?」
勇人「行く!」
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・
・
たわいのない会話をしながら車を走らせて、勇人の緊張も解れてきたのかいつもの笑顔が戻ってきた
勇人「僕おベンツに連れ去られるかと思った」
森田「だから逃げたのか笑」
グルルルルル
勇人「///」
森田「お腹空いた?そこ寄ろうか」
ドライブスルーのハンバーガー店に寄り諸々勇人に預けて病院に連絡を入れた
よほどお腹が空いていたのか美味しそうに頬張る勇人が可愛いくてクスッと笑ってしまった
森田「美味しい?笑」
勇人「美味しい」
森田「良かったねー」
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