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新しい出会い 2

「あれ? んと、開いてるけど?」  首を傾げてそう言うが、近づいても扉が開かないわけで、俺はそのことについても男性に説明を入れた。 「あーこれね、近づけば勝手に開くんじゃなくて扉にあるこれ。ここに手をかざすと開く仕組みになってるんだ」  扉には確かにガラスと同化する感じで僅かなくぼみがあった。  そういえば、前にレオと一緒に来たときには周りの景色に目がいって全く見ていなかったな……。  男性がそのくぼみに手をかざすとピピっと音が鳴り、扉が左右に開いていく。 「どうぞ」 「ありがとうございます」  俺は素直に礼を告げると渚の方を振り返った。  視線の先には、屈みこんで地面を一心に見つめながら木の棒でカリカリと何かを書いている後ろ姿がある。  近づいて覗き込むと数学の式を大量に地面に書き込んでいるところで、思わず目が据わってしまう。 「お前、何やってんだ」 「あ……話し終わったのか。いや、ちょっと暇だったから復習でもしてようかと。俺、機械のことはよくわかんないし」  へらっと無邪気に笑う渚にため息をついてから、その手を取って中に入った。 「君たちは誰に会いに来たのかな?」 「冬季に会いに来ました」  その言葉に男性が複雑そうに視線を逸らした。 「……? 都合が悪いんですか?」 「都合が悪いっていうか……今、お取り込み中じゃないかなぁと思って」 「お取り込み中?」  言いづらそうに頬を掻くと男性は宙をタップし画面を呼び出すと、そこから電話帳のようなものを映し誰かに電話をかける。  しかし相手はなんの反応もないのか、画面には「接続中です……」という表示が点滅したままだった。 「うん、お取り込み中だね。暫くしたらかけ直してくると思うから応接室で待ってようか」

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