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弓削さんとキヨちゃん
混乱に乗じて逃げようとしたキヨちゃんだったけど、そう問屋は卸さない。
「おぃ、そこの若い姉さま」
弓削さんに呼び止められてどきっとして立ち止まるキヨちゃん。
菱沼組の若い衆がぐるりとキヨちゃんを取り囲んた。
「おめさんは自分が一番めんげぇと思っているかもしんねぇけど、はっきりいってその金髪ぜんぜんかわいくねぇぞ。それにそだ派手なネイルチップをつけていたんではややこの面倒をみらんねぇべした。四季のほうがおめさんより何倍もめんごい」
「なにを言ってるかぜんぜん分かんないんですけど。ちゃんと日本語話せます?ここ大丈夫?」
キヨちゃんが頭を指差した。
「それが目上の人に対する態度か。おめさんのほうこそ頭大丈夫か?橋本とかいったな。逃げてばっかいないでちゃんと罪を償ったらどうだ?ソタイとマトリがわざわざおめさんを迎えに来てくれているんだ。洗いざらい全部話したらちっとは罪が軽くなるかも知れねぇぞ」
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