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26 夢を超えたその先へ(2)

旅館についた4人は、ひとっ風呂浴びようとさっそく露天風呂へと向かう。 疲れを癒そうと足を伸ばして湯に浸かるが、それは最初だけ。 すぐに湯船の中で、パートナー同士でキスや性感帯への愛撫が始まる。 ライブで興奮して火照った男の体は、そうは簡単に収まるものではない。 「ちょっと早いが、ここでパーティーだな」 ヒビキがそう言って立ち上がると、ソラ、カイト、ダイチの3人も後に続いた。 露天風呂のウッドデッキで絡み合う男達。 ヒビキとダイチは仰向けに横たわり、ソラはヒビキを跨ぎ騎乗位の体勢でヒビキの男根を自らのアナルへ食い込ませ、カイトはダイチの足首をがっしりと掴み正常位の体位でダイチのケツ穴にペニスをねじ込む。 二組のカップルは、欲望の赴くままに腰を振り続け、互いに競い合うように性欲を爆発させていく。 男達のうめき声、熱い吐息、ほとばしる汗、そして飛び交う男のミルクが、静かで情緒溢れる野天の月夜を、淫らな性の盛り場へと変えていく。 ヒビキのペニスを自らのアナルでシコリまくるソラは、隣でダイチのアナルを無心に掘りまくるカイトに声をかけた。 「カイト……改めて礼を言わせてくれ。見ての通り、オレは今とっても幸せだ。全てはカイト、お前のお陰。本当にありがとな」 「何だよ、それ。そのセリフはソラ、お前にそっくり返すぜ。俺だって見ての通り最高に幸せさ」 お互いのセックスを横目で見る。 快楽に溺れたパートナー達の姿が目に入った。 まさに幸せに満ちた愛の形。 二人、目を合わせるとニヤッと微笑んだ。 そして、パートナーを犯しつつも顔を近づけて感謝の口づけをした。 舌を絡ませて唾液をすすり合う淫靡なキス。 口が離れると、つーっと糸を引いた。 「ふっ、お互い、貸し借りなしって事だな、カイト」 「ああ、そういう事だ。戦友」 「戦友か……そうだったな、カイト!」 パーン! 手をガッチリと合わせ、男の友情を新たにした。 カイトに攻められ続け、メスイキ地獄で気を失いかけていたダイチだったが、その音でハッと目を覚ました。 ただならぬカイトとソラの雰囲気に気が付き、声を荒げた。 「ちょっと、カイト! それにソラさん! なに、その戦友って! 二人だけで仲良くなってジェラシーなんすけど!」 ははは、と苦笑いをするカイトとソラ。 ダイチは、プクッと頬を膨らませた。 そんなダイチに、ヒビキは優しく声をかけた。 「じゃあ、ダイチ。俺達も友情のキスをしようじゃないか」 「……ヒビキさん!」 ヒビキとダイチは互いに舌を伸ばし先端でピチャピチャ絡ませ、そのままはむっと唇を合わせた。 はぁ、はぁ、と甘い吐息を漏らしながら、唾液交換。 そして、うっとりとした目で見つめ合い、再びアヒル口を合わせる軽いキスからの官能的なディープキス。 流石に、カイトとソラは、焦って叫ぶ。 「な! ダイチ! 何だよそのキス!」 「ヒビキさん! オレにだってそんなキスしてくれた事ないじゃないですか!!」 ヒビキは、キスをしながら、悪人顔でソラを見上げる。 「そうだったか?」 「くー!!」 ダイチに至っては、トロトロ顔でその視界にはヒビキしか入っていないかのよう。 「こら、ダイチ! 聞いているのか!!」 カイトの声もむなしく、再びキスに没頭しだすダイチ。 ソラは、キッとした顔をカイトの方を向けた。 「カイト、こうなったらピストン全開でいやがおうでもこっちへ注意を向けさせるしかない!」 「おう! そうだな! それしかない!」 そうとなればと、二人は激しいピストンを始める。 ヒビキとダイチは、股間に迫り来る快楽にうめき声を上げた。 「うっ、うっ……そ、ソラ……そんなに締め付けて、擦られたら……うっ、いくっ……いっちまうっ」 「あっ、あああっ……カイト、ダメダメダメー。いっちゃう、いっちゃうよ」 ソラとカイトは満足そうに顔を見合わせ、互いの勇姿を讃え合った。 しかし、すぐに顔をしかめる。 「うっ、うぐ、はぁ、はぁ、……やばい……オレのケツマンコも痺れて力が入んねっ……緩んだらそれこそ、絶頂まで一直線……ヒビキさんの勃起チンコ、気持ち良すぎっ……うっ、うっうう」 「はぁ、はぁ、こっちも同じだ。ダイチのアナル、ヌルヌルの肉ひだが絡んで来やがる……俺のチンコもいく寸前……でも、もうとまんねぇよ……」 「じゃあ、そろそろフィニッシュと行こうぜ……うぐっ、ううっ」 「ああ、デカい突き上げ行くぜ! はぁ、はぁ」 カイトは、気合いの雄叫びを上げた。 「オラ!」 「あーっ……」 「うぐっ……で、でるっ……あっああ……」 ダイチとヒビキは、それぞれ昇天した。 一歩遅れてソラ。 「あがっっ……ひ、ヒビキさんの熱いの奥に広がってくるっ……オレももうダメ……いく、いくっ、いっちゃううーっ」 そして最後にカイト。 「ダイチのケツマンコの痙攣やべぇ……俺のチンコ搾り取られるっ……い、いくーーっ!!」 ドピュ、ドピュ……プシューッ。 あちらこちらで発射された精液がどろどろに散らばった。 4人は折り重なるようにイキのまどろみの中に溶けていった。 **** 浴衣に着替え、部屋に戻ると豪華な夕食が待っていた。 「かんぱーい!」 「お疲れ様!」 ビールで乾杯。 そして、豪華な食事にありつく。 カイトとダイチは、箸を動かす手が止まらない。 「やべぇ、俺、こんな美味い飯、久しぶりっす。すげぇ、幸せ!」 「うんうん、本当に美味しい! 俺、腹ペコだから、ご飯お替りしまくるぞ!」 ヒビキは、大人らしく悠然と美味を愉しみ、ソラは、ヒビキにお酌をしながら、若い二人を温かく見守りつつ箸を進めた。 お腹いっぱい食べた後は、宴会となる。 グラスを片手に、ライブの反省やら、これからのバンド活動など、思いのたけを語り合う。 いい感じに酔いが回り始めた頃、ああ、そうだ、とヒビキが話を切り出した。 「カイト。お前にも曲をいくつか頼みたいのだが、いいか?」 「はい、ヒビキさん。もちろん大丈夫っす。でも、ライブ向けの曲数は揃ってますよね?」 「ふふふ、特別な曲が必要なんだよ」 「特別な?」 カイトとダイチは、何の事かと、顔を見合わせた。 ヒビキは、ソラに目配せをした。 ソラは、頷く。 「カイト、ダイチ。ヒビキさんは、また新曲バトルを計画しているんだよ」 「え!?」 「今度は、オレとヒビキさん、そして、カイトとダイチのペアで戦うんだ」 カイトとダイチは叫んだ。 「うおーーー! マジかよ! 燃える!!!」 「今度はカイトの曲で勝負? めちゃ楽しみ!!」 そんな予想通りの二人の反応に、ヒビキとソラは微笑んだ。 ソラは、カイトに言った。 「今度は、敵同士だな、カイト!」 「ああ、遠慮はしないぜ。ソラ!」 カイトは、想像しただけで興奮して居ても立っていられない。 身を乗り出して、ヒビキに言った。 「お、俺、絶対に負けないすっよ、ヒビキさん! 実は、こいつ用にもう何曲か書いてますから!」 カイトはダイチの手首をつかみ、グイっと引っ張った。 そして、興奮したカイトの手は、無意識にダイチの浴衣の中をまさぐりはじめる。 「……か、カイト。手を入れてくるのやめ……バカ、乳首さわるな」 カイトの熱い挑戦状を受け取ったヒビキも、興奮が伝染する。 ソラをグイっと自分の懐に引き寄せると、ソラの浴衣の襟元に手を突っ込む。 「ほう? 面白い。俺も実はソラに歌わせる曲はもう頭の中にあるんだ。それは楽しみだな!」 「……ちょ、ちょっとヒビキさん。乳首……感じちゃいますって……」 パートナーに乳首を攻められ、あんあんと、喘ぎ声を出すダイチとソラ。 一方、ヒートアップしたカイトとダイチは、目をバチバチと合わせ、 「カイト! ここからが本当の勝負だ、本気でこい!」 「ええ、俺、全力でぶつかって行きますよ! 覚悟していて下さい、ヒビキさん!」 とタンカを切り合い、ふははは、と不敵に笑い合った。 そんな火花散る熱き男の戦いの中、艶っぽいダイチの声が割って入った。 「なぁ……カイト。しよ?」 「ん?」 ソラの甘えた声もする。 「ヒビキさん……オレも我慢できないです……」 「え?」 顔を真っ赤にして恥ずかしそうに男を求める表情のダイチとソラ。 瞳をうるうるとさせ、唇をつんと尖らせる。 ヒビキは、頭を掻きながらカイトに言った。 「なんだか、すっかり出来上がってしまっているようだな……」 「ええ、スイッチ入っちゃったみたいっす……」 ダイチとソラは、それぞれのパートナーの浴衣の裾をめくってお望みのモノを探り出すと、それを無我夢中でしゃぶり始めた。 ヒビキは、そんな、すっかり発情したメスになった二人の男を見て、ため息を付いた。 「カイト。もう始めるか? 夜の部のパーティ」 「はい、そうしましょう。もう、止まりそうもないんで」 カイトとヒビキは、それぞれのパートナーを押し倒し、浴衣を脱がしにかかった。 **** めくるめく男同士のセックスパーティーの幕が切って落とされた。 男達は、ペニスとアナルを求め合い、汗だくになりながら、パートナーを襲い犯していく。 「カイトの勃起チンコいいっ……俺の中で暴れまくって……ああ、ダメ、ダメ……壊れるっ……あーっ」 「ダイチのアナルの中、気持ちよ過ぎだってんの……ヤバい、出そう……うぅうう……我慢できねぇ……あっ」 「……はぁ、はぁ、ヒビキさん……オレ、もうこれ以上メスイキしたら変になっちゃいます……あっ……いくーっ」 「うぐっ……まったく、よく締まるケツマンコだぜ……ソラ、中出しすっからケツの穴閉めろ! 少しも漏らすなよ!……出すぞ、おらっ」 こうして、熱き男達の語らいは夜を徹して行われていく。 それは、夢を超え、その先へと飛び立つ男達が奏でる最高の(ステージ)に他ならない。 **** 新しい朝日が昇る。 二組のペアはベランダに出ると、互いの肩を寄せ合い眩しそうに見つめた。 カイトは、ダイチの耳元で囁く。 「なぁ、ダイチ」 「ん? なんだ、カイト」 「俺さ、お前とバンド組めて本当に良かった。ありがとな。あの時、俺を誘ってくれて……」 「ふふふ、そうだろ? 俺と組んで良かっただろ? 全て俺のお陰さ!!」 顎を突き出しドヤ顔のダイチ。 カイトは、素直に頷く。 「そうだな……」 「あれ? そこは、『調子に乗るな! ダイチ!』じゃねぇのか?」 「ふふふ……そうだな。調子に乗るなよ、ダイチ!」 「あははは! そうさ、俺は調子に乗るんだ! お前の前ではな!」 カイトは、ダイチの瞳をジッと見つめた。 そして、真剣な顔で言った。 「……大好きだ、ダイチ。愛してる」 「え!?」 驚き顔のダイチ。 「あ、愛してるって……今」 カイトは、不思議そうな顔で小首を傾げた。 「ん? 言ってなかったか? 俺はお前の事が大好きなんだ」 「そ、それは知っているが……愛してるって……初めて言われたと思う……」 ダイチは、嬉しそうにハニカミ、少しモジモジしながら俯いた。 一方、カイトは腕組みをして解せぬ顔。 「あれ、おっかしいな……俺の詞は全部お前に向けたラブソングなのだが……」 「な……俺に向けたラブソングだと!? い、今までの曲、全部か!?」 「ああ、そうだよ……何だよ、知らなかったのか?」 ダイチは、持ち歌を思い起こし、ハッとした。 「……た、確かに、やたら『愛している』って詞が多いような……」 カイトは無言でうなづく。 ダイチは、耳まで顔を真っ赤にして身もだえる。 「嘘だろ……やばい、恥ずい……俺、お前の気持ちを歌わせられてたのかよ!! しかも、俺の事を愛してるって……うぉーー!!」 カイトは、そんなダイチを後ろから抱きつき耳元で囁いた。 「これからは、ずっと言ってやるからな。愛してる、ダイチ」 「ば、バカ!! 恥ずいって……」 「ふふふ。うっせぇぞ、ダイチ。愛してるもんは愛してるんだ……」 「カイト! お前……んっ」 慌てふためくダイチの唇をカイトは唇で塞いだ。 キスをする二人の頬に太陽の光が当たり眩しいぐらいに輝く。 長いキス。 唇を離したダイチは、とろけるような顔をカイトに向けた。 「……カイト」 「なんだよ」 「俺もカイトを愛してる……へへへ、俺も言ってなかったと思って……」 カイトはニヤッと笑った。 「いやさ……お前さ、セックスのとき、いつも『カイト、愛している!』って言っているが……」 「な!?」 ダイチは、口をあんぐり開けて、手をプルプルさせた。 「う、嘘……嘘だろ!!」 「いや、本当……」 ダイチは、再び顔を真っ赤にさせた。 「カイト! てめぇ! そういう事は先に言え! お前は、俺に意地悪すぎだ!!」 「……バカ、ダイチ、叩くなって……痛い痛い!」 ぽかぽかとカイトを叩くダイチ。 逃げ回るカイト。 唇を重ね愛を囁き、二人の世界に浸っていたヒビキとソラも、大騒ぎで走り回るカイトとダイチに、何事か、と顔を向けた。 そして、それがいつものイチャイチャと分かると、抱き合いながらくすくすと笑いだした。 **** かくして、愛し合う二組のカップルは、時には引き合い、時には反発しながら愛の力を結集させ、最強チーム『ボーイズ・ラヴァーズ』を作り上げた。 セックス・シンフォニック。 その力をいかんなく発揮し、互いに高め合い、成長を促し、ここまで辿り着いた。 しかし、彼らのゴールはここではない。 目指すは、更なる高み。世界の舞台……。 今まさに、その伝説への第一歩を踏み出したばかりであった……。 *セックス・シンフォニック おわり

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