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先代魔王様ご夫婦ご来城1
先代魔王様ご夫妻ご来城の日がやってきた。みんなで謁見の間に顔を揃えて、先代魔王様ご夫婦が瞬間移動して来られるのを待っている。
やっとジュンさんとレンさんに会える!!俺以上にそわそわ緊張しているユイくんに声をかける。
「ユイくん大丈夫?」
「はぁ、めちゃくちゃ緊張するよ。でも、きちんとご挨拶をして、国交回復の許可をいただかなきゃね。」
何の前触れもなく、謁見の間の中央に突如出現する四つの影。先代魔王様のジュンさんと黄金の翼を持つ巨大なライオン、その王妃様のレンさんと、翼も含め全身が白銀の猫が現れた。
うわぁ!やっぱりこっちの世界のジュンさんも色気がすごい。麗しすぎるよ!!レンさんも流石の美青年っぷり!!
「おうっ!待たせたな。おれが先代魔王のジュンだ。こいつはおれの契約精霊のキル。」
「先代魔王妃のレンです。こっちは俺の契約精霊、クーだよ。」
キョウに目配せをされ、まずユイくんが挨拶をする。
「初めまして、先代魔王様、先代魔王妃様、人族現国王の息子のユイトと申します。よろしければユイとお呼びください。この度は、人族との国交を回復していただけますようお願いに参りました。どうぞよろしくお願い致します。」
「初めまして、先代魔王様、先代魔王妃様、ユイト王子と共にお願いに参りました、一応勇者のアスラです。国交回復の件、どうぞよろしくお願い致します。」
「んな、堅苦しい挨拶はいらねぇよ。ユイにアスラだな?よろしく。おれは国交断絶なんぞした覚えはないんだが、何かそんな事になってたみたいだな。すまなかった。すぐにでも国交を回復してくれ。」
「ありがとうございます!!」
「それよりおれは、お前ら二人に興味あるわ。アスラはキョウの王妃になるんだろ?」
「えっ?!いや、俺が王妃とか無理・・・」
「アス?王妃になるよな??」
ぐっ?!キョウからの圧がっ!!!
「は、はい・・・」
「ふふっ、大丈夫だよアスラちゃん。俺でも王妃やってたんだから。色々教えるから相談してね?あっ、俺の事はレンでいいからね。」
「レンさん!いや、レン様、ありがとうございます。すごく心強いです!」
「レンさんでいいよ。」
うわぁ!やっぱりレンさんはレンさんだ。こっちでもむちゃくちゃ優しいよ。涙出そう。
「で、ユイはカコの息子なんだろ?カコに、と言うかレンにそっくりだな!?」
「あっ、あの、母がご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございません。」
「いやいや、迷惑をかけたのはおれの方だからな。すまなかった。カコにももう一度謝っておいてくれ。」
「本当に俺の若い頃にそっくりなんだけど!それにルーもクーと金銀の色違いの双子みたいだし!!どっちも可愛いすぎてヤバいなぁ。ユイくん、仲良くしてね。」
「先代魔王様も、先代魔王妃様もありがとうございます。俺にはもったいないお言葉です。」
「堅い、堅い!ジュンとレンでいいからな。」
「で、では、ジュン様。あ、あの俺、実はジュン様の大ファンなんです!!魔王城のデザインが大好きすぎて、俺も城のデザインとか勉強したいと思ってるんです。それに、裏魔族配信で歌っていらっしゃるジュン様を見て気絶するほど感動して、もうその素晴らしさに俺はもう・・・あぁっ!言葉に出来ないのがもどかしいっ!!」
「おいおい、いきなりシグみたいになりやがったっ!」
「ジュン様、私はユイを伴侶にするつもりでございます故、どうぞよしなに。」
「似た者同士の夫婦かよっ?!」
「ぷはっ!ジュンさん、良かったじゃない。こんな可愛いファンが出来て。俺も嬉しいよ。
ねぇ、ジュンさんは国交を断絶した魔族の事とかをキョウくんとシグくんと話し合うんでしょ?俺たちお茶しに行って来てもいいかなぁ?」
「茶くらいここで飲めんだろ?」
「姉さんとカグヤちゃんにも紹介したいんだよ。ユイくんはカグヤちゃんにとっても弟になるんだから。」
「あ~それもそうか。あの二人の所なぁ・・・キョウ、どう思う?」
「あ゛っ?アスを行かせるわけないだろうが。」
「キョウ、俺レンさんのお姉さんとカグヤちゃんに会いたい。」
「うっ!うぅ・・・仕方ない。気は進まないがあの二人をここに呼べ。レイ、ココとは繋がってるんだろう?」
「ああ。しかし、本当に呼ぶのか?あのココを??」
「それを言うならあの二人もファーもだろ・・・」
うわぁ、前世と同じく凄そうだな。しかも契約精霊もかよっ?!
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