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21 焦らさないで

 腹の中で、星嶋の性器がドクドクと脈打っているのが解る。星嶋は熱くて、硬くて、……気持ち良い。  挿入されただけでドキドキして、おれは荒い息を吐き出した。 「あ、あっ……」  繋がった部分に意識を集中してしまい、恥ずかしさと快感に身悶えする。こんな風に身体を開かれて、どうにかなりそうだ。ホテルの室内は思っているより明るくて、肉棒を咥えこんだアナルも、星嶋が弄ったせいで赤く尖った乳首も、まだ何もされていないのに勃起して先端を濡らす性器も、いやらしい顔も、全部見えてしまっている。  恥ずかしいのに、そればかりではなくて、胸がきゅうきゅうと締め付けられた。 「っ……は……、動くぞ、上遠野……」 「んっ、う」  小さく頷くと、星嶋は腰を大きく引き、再び奥へと貫いた。ズンズンと突き上げられ、内部がせりあがるような感覚になる。苦しいのだが、徐々に甘い快感が沸き上がり、無意識にシーツを握る。 「あっ、あっ……!」  短く喘ぎを上げながら、打ち付ける腰のリズムに合わせて、身体を揺らす。腰を捻り身体を揺らすおれに、星嶋が舌なめずりするように唇を舐めた。 「すげ……、イイ……、あんたの中……」 「あっ! あんっ、んっ……! ひぅっ!」  自分でも信じられないような声が出て、思わず口を押えた。その手を、星嶋が掴む。 「ガマンすんなって」 「あっ、やだっ……んぅっ!!」 「ココ、良いの?」  グリグリと好いところを責められ、チカチカと星が舞った。強い快感に、ビクンと背中が弓なりにしなる。 「あああっ!!!」  おれの反応に気を良くしたのか、星嶋はにやりと笑い、一層激しく腰を打ち付ける。ローションと精液が混ざって、じゅぷじゅぷと音が鳴る。 「あっ! あ! んぅっ!! そ、そこっ……!!」 「気持ちイイ? 上遠野」  腕を掴んだまま問われ、声を塞ぐことも出来ずに、おれはコクコクと頷いた。執拗にそこばかり責められ、頭がおかしくなりそうだ。無意識にシーツを蹴り、強すぎる快楽から逃げようと腰を捻る。  星嶋はおれの様子に、一度腰を引き、ぬぽっと性器を引き抜いてしまった。粘液がずるりとアナルから糸を引き、シーツを濡らす。 「あっ! あ――、あっ……、あ……?」  首をあげ、涙に濡れた視界で星嶋を見る。 「抜か、ないで……」  イヤイヤと首をふるおれに、星嶋が笑う。 「欲しいの?」 「んっ……」  小さく頷いて、ハァと息を吐いた。意地悪、しないで欲しい。 「じゃ、後ろ向いて。四つん這いになって」 「……ん」  言われるままに、四つん這いになる。星嶋におしりを向けているというのが、恥ずかしかった。羞恥のせいで、肩まで赤くなる。アナルに、硬い先端が押し当てられる。 「あっ」  思わず出た声に、カァと顔を熱くして口を押えた。 「嬉しそうな声出して」 「違っ」 「挿れて欲しいんだろ?」 「――」  い、意地悪言ってるっ。後ろを振り返り、涙目で睨む。星嶋はニヤニヤと、いやらしい笑みを浮かべていた。憎らしい。 「どうしようかな?」 「っ……意地悪、しないで……」  おれは尻に手を伸ばし、双丘を掴んだ。恥ずかしい、けど、挿れて欲しい。星嶋のでメチャクチャに搔きまわして欲しい。 「星嶋の、挿れて……」 「っ……」  星嶋が息を呑んだ。「お前な」と小さく呟く。 「んぁっ」  先端が、再びヒダを擽る。 「煽るなって、言ってんだよ」  言いながら、星嶋は一気に奥まで貫いた。  ずんっと鈍く響く感触に、一瞬息がつまる。星嶋はそのまま、ズポズポと腰を揺らした。 「あっ! あ、あっ! 星嶋っ……! ほしっ……!」 「上遠野っ……、くっ……」  激しく突かれ、脚がガクガクする。獣みたいな交わりに、いやに興奮して喘ぎも大きくなった。 「あ! あっ! あああ!!」  星嶋の動きが速くなる。びくんっと大きく震え、中に射精された。腹に熱いものを感じて、同時に俺も達したのだった。

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