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#スイーツ男子のお悩み事は甘くてほろ苦いティラミスの味④

 早起きは苦手だけど好きな物の為なら頑張って起きるし行列にだって並べる。現在朝6時55分、昨日見つけたカフェのモーニング限定メニューの為に5時に起きた。 開店時間の朝7時に間に合うようにアラームをいくつもセットして、一限の授業には十分に間に合うように朝イチでオープンを待つ。  "いらっしゃいませ"の店員の声と共に僕の至福の時間の開幕だ。案内された席に座ってすでに決めてあるメニューを注文。  朝限定のパンケーキには今が旬のこの店お手製の苺シロップをかけてふわふわの生クリームと共に食す。コーヒーの豆もこだわり自家焙煎の香りが店内に漂っていた。  『あー幸せだな♡』  思わず声に出してしまった、、がまだあまり知られていない朝の隠れ家的なカフェはお客さんは少なく人目も気にならない。 開放的な気分で写真もたくさん撮りこれぞ幸せな時間、そして念願の300人フォロワーを自身の小さなお祝いのつもりで今日はやってきた。  300人なんて大したことないって(はた)からは思われるかもしれない。だけど友達がほとんどいない僕が5ヶ月かけて得たこの数字はとてつもなく意味のある数字だ。  『美味しかった。ごちそうさまでした』  すぐさまレビューノートに味の感想を書く。このノートももうすぐ3冊目が終わる。味や店内の雰囲気だけじゃない、ノートにはそこにいる店員や客の聴こえてくる会話や過ごし方も記す。 いいお店は味だけじゃない魅力もたくさんありSNSには載せられない部分もこのノートには詰まっているんだ。  早起きのおかげで予備校には余裕持って到着出来た。教室前の掲示板に目をやると次の試験や進路面談などの予定が張り出され現実にすぐに引き戻さる。 一年しかない浪人期間はとにかくすべてが急ぎ足で他の事に(かま)けてる時間なんてないのが現実。  「あれー、暖なんや今日は早いやんか。いつもギリギリに来とんのに」  『僕だってこうゆう日くらいあります〜本気出せば余裕なんだから』  前の席にどすんと座った明希にドヤ顔をするとおでこに軽いデコピンが飛んできて痛がる僕を面白がって笑ってる。  「おっはよん!」  『いつみ、おはよう。あれ前髪切った?』  「えっ?分かってくれる?さすが〜暖は乙女の気持ち分かってくれる!まぁ誰かさんは何も言ってくれなかったけどねー」  『アホかそんなん誰が気づくねん、、って気付いたヤツここにおったか』  いつみは明希と同じで仲の良いクラスメイト。普段三人で行動する事が多く、目指してる大学は違えど目標高い二人といるとペチッとお尻を叩かれて前進させてくれる。 きっと一人じゃすぐギブアップしていただろう。  朝から美味しいスイーツを食べたせいか脳が活性化されてスラスラ問題を解く僕に明希は"雪でも降るんちゃうか?"なんて言うし、いつみは"暖のニセモノ?"とか二人に言われ放題されながら、授業終わった後も自習ルームに三人こもって夜まで勉強は続いた。

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