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#スイーツ男子のお悩み事は甘くてほろ苦いティラミスの味⑥
『……っん、、うるさい』
土曜日にアラームはセットしないし大体まだ朝6時なんだけど。壁を向きながら手だけバタバタと動かし手探りでスマホを探す。ベッドの下から聞こえると気付いて、のそのそと落っこちたスマホを拾って寝ぼけ声で通話を押した。
『はい……もしも』
「暖!!今すぐSNS見てやっ!」
『明希、、?どうしたの…こんな早くに』
「ええから早よ!スイーツ載せてるやつ、大変な事になってんねん」
何を言ってるかさっぱり分からないけどまだエンジンがかからない脳に訴えかける明希の言葉に"待って"と言ってSNSを開いた。
"コメント 866件" "いいね!3007件"
『えっっ、、何これ!!?』
もちろん昨夜の投稿への反応だったが自分のSNSでこんな有り得ない数字は喜ぶべきかはとにかくコメント読んで見ないとわからない。
"絶対これマコトだよね!"
"大我がいるのに何で女とイチャイチャしてんの?信じらんない"
"ショック。ビジネスカップルだったの?"
とにかくそんな内容のものだった。コメントの大半は大まかに分けられて、罵倒する者、介抱する者。大きく写ったパンケーキがないもかの様に注目しているのはその後ろに写る男女がいた。
はっきりとした顔までは写っていないが画像の端っこに並びで座り男女が肩を組んで仲睦まじくパンケーキを食べている。誰が見てもカップルだと思える様な、二人の親密さだった。
「暖!一体どないなってんねん?」
『僕もわかんないよ!どうしよう、、ねぇ明希どうしたらいい!?』
「とりあえず問題の投稿消してカアウント自体を誰にも見れへんようにするんや」
『えっ、、けどそんな事したら僕の今までのレビューが……!』
「今はそうするしかないやろ」
『、、、うんわかった……そうするよ』
コメント内で度々名前が出てくる"マコト"がどうやら写真の本人らしい。アイドル?タレント?俳優?色んな憶測を立てるが明希も知らないと言うしもう何が何だかさっぱり。
そしてよく出る名前がもう一人いる。ただ存在が不透明でとりあえずの情報が唯一、名前が"大我"という事だけ。二人が何者でどういった繋がりかなんて今は何も分かっていない。
「せやけどほんまこんな小さい写真で特定して広めて騒ぎたててファンって怖いもんやなー」
明希の言う事も一理ある。ただ僕の300人のちっぽけなアカウントからこんなに拡散されたなんて思えない。
この写真をきっと誰かが偶然見つけて別のSNSに載せた事で火がついてしまったのだろう。
一度出回ってしまった写真は全て取り消すのは困難でSNSの恐ろしさを感じこのどうしたらいいかわからなくなった。
「大丈夫や。こんなん初めだけや、すぐ熱 りも冷めてみんな忘れるわ。」
『けど……僕のせいでこの人達が悪く言われてるの嫌だな、、なんかパパラッチしたみたいで』
「この男女の関係もわからへんやん。兄妹とか友達とかかもしれへんし、勝手に想像して騒いどるやつらは無視したらええ」
明希はそう言って慰めてくれる。そう言えばコメントに気になるワードがあった。
"この先配信どうなんの?"と何となく頭の中で浮かんできたのは動画配信者で有名な二人なんじゃないかと。とりあえずそれなら動画調べればすぐわかるかも。
『明希ありがとう!とりあえずまた連絡するから』
「わかったわ、ほな何かあれば言うて。とにかく気落とすなよ」
『うんいつも色々ありがとね。それじゃ』
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