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第3話

「ああっ、だ、め……っ、……んんっ」  気持ちいい、とうわ言のように呟くと、ネロは満足そうに笑う。そしてそこをしつこく愛撫され、セルジオはまた視界と音が消え、ガクガクと全身を震わせた。 「……っ、ん……っ!」 「ああ、乳首でイッちゃったね」  媚薬の効果はすごいなぁ、とネロは舌なめずりをする。セルジオは口を手で塞ぎ、肩で息をして呼吸を整えようとした。しかしネロは再び──今度は両方の胸を指で弾く。身体が跳ねるほどビクつかせたセルジオは、短く声を上げてまた絶頂してしまった。 「んふふ、可愛い……」  二回も射精をともわないオーガズムを連続でさせられて、セルジオはすっかり抵抗する気力を無くしてしまう。それでもまだ身体の熱は収まらず、それどころかどんどん熱くなるばかりで、セルジオは戸惑い、涙目になった。 「ね、ネロ……っ、もう無理っ、ここも触って……っ!」 「ここってどこ?」  セルジオは自ら足を大きく広げ、自分の性器のもっと先──会陰の下に触れる。そこには桃色に染まった小さな蕾があり、ひくひくと震えていた。  ネロはそこをそっと撫でると、セルジオは切なげな声を上げて彼にしがみつく。もどかしい刺激に悶えつつ彼を見ると、ネロは優しく微笑んだ。 「ここも可愛いね」 「あ……っ」  ぷつりと、ネロの指が入ってくる。粘膜を緩やかに押して入ってくる指の感触に、セルジオは堪らず身悶えた。 「ああ……君の中は気持ち良さそうだね」  ネロはさらに声を熱っぽくして、口付けをひとつくれる。自分の中で動く指を思わず締め付けると、セルジオはまた意識が飛んだ。 「あ、……っ、ネロ、もう良いから……!」 「ふふ、指だけでイッちゃうの?」  そう言ってネロはそこを十分にほぐすと、そっと指を抜く。その指を名残惜しそうに食んでいたそこは、代わりに指よりも熱く硬いものをあてがわれて、期待に震えた。 「……きみ、可愛いから僕と付き合っちゃう?」 「──っ、あぁ……っ!!」  熱い肉棒が差し込まれた瞬間、セルジオの身体は弓なりにしなる。同時にセルジオの雄からは、白濁した精液が断続的に飛び出した。 「ンっ……、ぅ……っ!」  長く続く射精に身をよじると、上からクスクスと笑う声がする。セルジオは彼を見ると、目尻から熱い何かが零れた。ネロはその目を指で拭ってくれる。 「ああ、可愛い。……ね、本当に僕のものにしたいな……」  こんな状況でも、甘いとろりとした笑顔を浮かべている彼の顔が近付いた。熱い吐息と共にセルジオは唇を塞がれ、そして今までにない、怖いほどの快感に襲われる。  しかし不思議と心は温かかった。セルジオはネロの首に腕を回し、彼から与えられる愛撫と快感に身を委ねる。あられもない声を上げ、どこか違う所に引きずられそうなほどの快感は、なぜかネロにしがみついていれば大丈夫、そんな気がしてセルジオは彼の全てを受け入れた。 「ずるいかな? 失恋したところにつけ込むなんて……」  セルジオを揺さぶりながらそんなことを言うネロに、自らキスをする。 「いいっ、……だからもっと……!」  それはネロの言葉への返事なのか、与えられる刺激を求めたものなのか、セルジオ自身も分からなかった。もうめちゃくちゃにして、なんてとんでもないセリフが出てきても、ネロは笑ってそれを受け入れてくれるのだ。 「いいよ……。全部愛してあげる」  だから僕のも受け止めてね、とネロは動きを止める。その瞬間、息を詰めて顔を顰めるネロの顔を見て、セルジオも全身を震わせた。

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