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第42話

緑川 「飽きちゃった」 そう屈辱的な言葉を私に放った。 宮ノ内霧緒、あいつを許さない。 綺麗で美人で可愛くてフラれたことなんて一度もないこの私に…飽きたですって? ふ、ふーざーけーんーなー!!!! それから私のことを完全に無視して後輩にちょっかい出しはじめた。 あの体育館の裏で会ったちまっこい子! しかも男よ!!男!!!萩生詩! 私よりあんなちまっこい男がいいのっ!? 見たことない幸せ笑顔でその子に抱きついたりちょっかい出したり!! あー!!!! ムカツク!!!!! あの子にもちょっとイラっときたから後輩に言って意地悪しちゃったわ。 階段から転がり落ちてケガしちゃったわね…可哀そうだった。 ふふふ…ちゃんと優しく手当てしてあげたでしょ?可愛い子…。 でね、その時思いついたの…そうだ!この子を私のモノにしてしまおうって。 あいつのお気に入りを横取りしてやるの。 そうしたら宮ノ内はどう思うかしら… 嫉妬する? それとも私の魅力を再認識するかしら? とりあえずあの二人の仲を引き裂いてやりたい。 ハンカチね…ちゃんと返しに来ると思った。 お礼もきちんとしちゃって…なんか真面目な子だし、ちょっと抱きついたら、あっはは!顔赤くして困ってる~!可愛い。 わかりやすい反応がとっても新鮮。 …他人が大事にしてるオモチャだと思うと更に萌えてくる。 あんなに仲良さそうにして… 最近になって宮ノ内に捨てられたとか…そんな噂聞いたけど…どうなのかしら? いい気味だけど…。 ちょっとこの子に興味出てきたし…遊んでみるのもいいかも。 エッチしたことあるかしら? 経験なさそう…キスもまだかしら…そう思ったら…興奮してくる! 年下が好みそうな、優しいお姉さんを演じて、にっこり笑うと微笑みを返してくれて可愛い。 私のこと好きになるのも時間の問題かしら。 お茶に誘ったら凄く困ってた!その困ってる姿もかっわいい! 誘われたら断れないわよね。 この反応からすると、女の子とデートとかしたことなさそうだし! 優しいお姉さんが色々教えてあげよう。 私に夢中になってね。 そして、 飽きたって言って捨ててやるの。

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