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第44話

アルトは少しだけ唇を尖らせると 「じゃあ、課題と宿題を終わらせたら……」 縋るような瞳で言われ、メイソンは溜め息を吐いた。 「アルト……」 そう呟いた時だった。 『何だ?もうこの器に飽きたのか?』 アルトでは無い声にハッとすると 『言った筈だ。我が求めたら、応えよと』 太陽の神はメイソンの膝からゆっくりと降りると、目の前で衣類を脱ぎ捨て全裸になってアルトの机に座って足を組んだ。 『誓いが守れないのなら、この者を他の騎士共に抱かせるぞ』 そう言われ、メイソンは太陽の神に跪き、組んだ足の甲にキスを落とす。 契約の誓いは絶対だ。 『分かっているのなら、アルトの意識の時に抱いてやれば良いものを……』 呆れた顔をされ、メイソンは俯いた。 時々、思ってしまうのだ。 アルト自身が自分を求めているのか? 太陽の神が自分を求めているから、アルトもそんな気持ちになっているのではないか? そんな悩みを見透かすように、太陽の神は小さく笑うと 『人とは、くだらない感情で悩むのだな』 そう呟きながら、メイソンの首に腕を回し 『まあ、そういう部分も含めて可愛いらしいけどな』 と囁いて唇を重ねた。 舌を絡め、角度を変えてキスをしながら、慣れた手付きで執事の制服の上着をボタンを外し、ゆっくりと撫でるように腹筋から胸元へと両手を這わす。 そして乳首の所で爪の先で焦らすようにカリカリと弄ると、メイソンの身体がビクリと揺れる。 逃げようとするメイソンの舌を無理矢理絡め取り、メイソンの腰を両足で固定した。 シャツの上から、乳輪をなぞると乳首を強く摘まれて 「んぅっ!」 と声が漏れた。 メイソンの声を聞いて満足そうに笑うと、ゆっくりと手をそのまま上へと滑らせて肩からジャケットを滑り落とした。 『バサリ』とジャケットが床に落ちる音がすると、メイソンのネクタイをゆっくりと外しながら 『メイソン……お仕置だ』 唇を重ねたまま囁くと、メイソンの腕を後ろに束ねてネクタイで腕を拘束し始めた。 シャツのボタンを外し、前を開くとメイソンの胸に手を這わせ、ゆっくりと乳首に唇を寄せた。 『ちゅぅ』っと音を立て吸い付き、舌先でメイソンの乳輪を舐め回すと身体がビクリと揺れる。 メイソンの顔を見上げながら、吸い付いた胸の反対側は指先で乳首を弾くように撫で回す。ビクッビクッと身体が揺れ、メイソンが唇を噛み締めて声を耐える姿に太陽の神が楽しそうに笑った。 『メイソン、すっかり胸で感じるようになったな……』 胸をしゃぶりながら言われて、メイソンが唇を噛み締めながら悔しそうな視線を向けた。 その眼差しに、太陽の神は身体をブルリと震わせてた 『堪らない……。お前のその美しい顔が、屈辱に歪む顔を見るとお前が欲しくて欲しくて堪らなくなる』 アルトの顔で言われ、メイソンは悲しい気持ちになって行く。 うっとりとメイソンの頬に触れ 『メイソン……何故、そんなに悲しい顔をする?まぁ、そんなお前の顔も堪らなく我をそそるがな』 小さく笑うと、そのまま手をゆっくりと頬から首筋、胸へと滑らせて両手で胸を刺激しながら、舌をメイソンの腹筋へと這わせて行く。 そして勃ち上がった互いの熱を、着衣の上から重ねてグリグリと押し付けられた。 「ふっ…………うっ…………」 腹筋を堪能すると、再び胸元へ舌を這わせて、先程とは逆側に吸い付いて乳輪を舐めまわしてから乳首を舌先で激しく刺激して吸い上げたまま唇を離す。 「あっ…………」 小さく喘いだメイソンに、満足そうに太陽の神は笑うと 『見てみろ、メイソン。お前の胸がこんなに色付いて、ぷっくりと立ち上がり女のようになっておる』 楽しそうに笑い、メイソンの胸を指先で摘んで刺激を続ける。 メイソンがアルトと関係を持つのに二の足を踏むのは、メイソンの前でアルトがアルトである時間が減っているような気がして居たからだった。 (これじゃ……なんの為の契約なのか分からない) メイソンはそう考えていた。

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