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歌を歌いに来たんだけどな…(1)
「あーもしかして、滝崎…カオルくん?」
「あ、どうも…」
この世界の僕…滝崎カオルは、ボーカリスト。
あくまで自称だけどね。
それでも、ちゃんとボイトレにも通っているし、
まあまあ、見た目も悪くないし、
そこそこイケてると、思うんだ。
でも先日、所属してたオリジナルバンドが解散してしまったので、他のバンドのボーカル募集オーディションを受けて回っている最中なのである…
そんなわけで、今日も…
実は僕的に、第1希望のバンドのリハに、
試しにボーカルで参加するために、
とあるリハスペースにやってきたのだった。
それは【TALKING DOLL】っていうコテコテのV系バンド。実は、以前対バンしたことがあった。
メンバーは、みなイケメンで、衣装もメイクも美しく、ハードな曲調も好みだった。
出来ることなら、このバンドで歌ってみたいなーと
ずっと思っていたのだった。
ギターのサエゾウ
ベースのシルク
ドラムのカイ
素顔もイケメンな彼らに迎えられて、
僕は少し緊張しながら入った。
そこは、ドラムのカイさんちが経営してるっていう、
スタジオ件ライブバーみたいな所で、
奥にはドリンクを出すカウンターもあった。
「今日は顔合わせだからね、飲みながらやろっか」
カイさんは、そう言って、カウンターに入った。
「何飲むー?」
「じゃあ…ハイボールください」
それぞれがアルコールを手にした。
「乾杯〜」
「よろしくお願いしますー」
飲みながら、彼らは自分の楽器を
着々とセッティングしていった。
僕もマイクを調節しながら…
とりあえず課題曲の、歌詞をおさらいしていた。
「じゃあ、やってみようか…」
それぞれの準備が終わったのを見計らって、
カイさんが言った。
「…はい」
僕は少しドキドキしながら答えた。
そして、演奏が始まった。
ドドドド…
ギュワ〜ン…
カイさんの、力強いのにタイトなドラムに、
シルクの重低音なベースが、
それに絡まって1つの塊になって身体にスコーンと入ってくる…
その上にサエゾウの、
グシャ〜って感じなのに、しっかりリズムを刻んだギターが乗って…
なんて気持ちいいんだろう…
そして僕は、その完成された音に…
思うがままに、自分の声をかぶせた。
ああ…ヤバい…
ホントに気持ちいい…
ジャーン…
曲が終わった後の…
やりきった恍惚感がまた、たまらなかった。
「いいねーカオルくん」
「うんうん…」
「他のもやってみる?」
そんな感じで…僕らは数曲を何度かずつ、
たまにアルコールをおかわりしながら演奏した。
いったん休憩〜になった。
「おかわりする?」
「あ、はい。同じのください」
僕は言いながら、煙草に火をつけた。
「俺もー」
シルクとサエゾウも、
空いたグラスを持ってカウンターに来た。
「いいじゃん、郁かおるだっけ?」
「うん、俺も良いと思う…」
「そーね、歌はスゲー良いね」
人数分のドリンクを出しながら、カイが言った。
「もうさーあ、歌が良ければいいんじゃない?」
「俺もそう思う」
「…?」
歌が良ければ…?
シルクとサエゾウが言ってる意味が、
僕にはよく分からなかった。
カイが、真面目な顔で僕に言った。
「うちのバンドさ、演奏もだけど…見た目とか世界観とかにも一応拘ってんのよ」
「…はい、知ってます」
「カオル、声も歌唱力も、すっげー良かったからさ…是非入ってもらいたいんだけど」
「ホントですか?」
「うんうん」
シルクとサエゾウも頷いた。
カイは、自分のドリンクを手に持って、カウンターから出てきた。
そして、ニヤッと笑いながら続けた。
「歌じゃない方も試させてもらっていいかな?」
「…えっ?」
それって…
果たしてどういうことでしょうか…
カイは、シルクとサエゾウに何か合図をした。
と、シルクが急に…
僕の両腕を後ろに回して押さえつけた。
「…?!」
サエゾウは、自分のスマホを取り出し…
レンズを僕の方に向けた。
「 TALKING DOLLのボーカルは、玩具ってイメージなんだよね」
うーん…確かに、
曲の歌詞も、そんな世界観があるのは分かる…
でも、この展開って何??
「みんなに凌辱される可哀想な玩具って感じ?」
そう言いながら、カイは僕ににじり寄ってきた。
そして、僕のシャツのボタンを外し始めた。
「…!」
ああ…玩具って、そういうアレですか…
違う世界の僕も…
めっちゃ弄ばれてますもんね…
はだけたシャツに、手を滑り込ませ…
カイの両手が、僕の乳首を捉えた。
「んんっ…」
僕は思わず身を捩った。
両方の乳首を指の先で転がしながら…
カイは、僕のくちびるに口付けた。
口付けるっていうよりは、
舌を挿れて…僕の口の中を舐め回した。
「…う…んっ…」
後ろのシルクが、僕の両腕を、
そこら辺にあったケーブルで縛りつけた。
あーあ、そんなのにそれ使っちゃダメじゃん…
シルクは、空いた自分の手を背後から回し…
僕のズボンのボタンを外した。
「…んんんっ」
そしてそのまま、自分で脱ぐようにズボンを下ろし
僕の両足を引き抜いた。
「いい画になってきたー」
スマホをかざしていたサエゾウが言った。
「コレもつけちゃう?」
そう言ってサエゾウは、
片手で、カイにアイマスクを渡した。
「いいね」
それからシルクは、
シャツだけ羽織った僕を、椅子に座らせた。
カイが、僕にアイマスクを付けさせた。
「やばっ…メッチャ良い画〜」
サエゾウが嬉しそうに言った。
こんなにされて…
なんで僕があんまり抵抗しないかって?
そりゃーだって、
僕は滝崎カオルだもの。
どこの世界でもね
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