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2度めの打上げ(1)
無事、LIVEも営業も終わり…
僕らは地元の駅に戻った。
「またウチ来る?」
シルクが言った。
「よければ是非〜」
「あっでも今日は絶対、カオル連れて帰るかんな!」
サエゾウが僕の腕を掴みながら言った。
「あはははっ…出来るもんならね」
「ギター置いてでもカオルは持って帰る」
「…っ」
そんなやり取りをしながら…
僕らはまた、しこたま酒を買い込んでの
シルクの住まいにお邪魔した。
「乾杯ー」
「おつかれー」
「にゃー」
そして僕らは、改めて打ち上がった。
「いや…ほんっっとに良かった」
ハルトがしみじみ言った。
「カオルさん、凄かったです…」
ショウヤも目をキラキラさせて言った。
「DVD見とく?」
シルクが立ち上がってPCの方に行った。
「見る見るー」
「ちょっと今回は、自分を見るのが怖いな…」
「…俺も」
そして、大きなPCの画面から…
今日の僕らの映像が、流れ始めた。
「なんか…最初っから犯られてる顔してんなー」
サエゾウが言った。
「…」
確かに…最初っから妄想で犯られてました…
「良い顔でした…」
ショウヤがウットリした風につぶやいた。
「ホントにフラフラだったよな…後ろで見ててちょっと心配になったわ」
カイも言った。
まー3分の1は、貴方のせいですけどね。
そして新曲のコーナーになった。
「これ、カオルの曲なんでしょ?すげーいいよね」
ハルトがしみじみ言った。
「今回、黒にしてホントによかったわー」
ショウヤは画面に釘付けになっていた。
何やら、若干はぁはぁしてる感じで…
「あー落ちた」
僕がへたり込んでの…
カイの曲が始まる場面になった。
「スゴいなーホントにイっちゃってるよね…」
って言ってますけど、
両側の2人も…その曲が進むにつれて、
だんだん表情がヤバい感じになってきてるのが、
画面越しにも伝わってきた。
「…みんな勃ってますね…」
釘付けのショウヤが呟いた。
「…そりゃーしょうがない」
「なーちょっと恥ずかしい顔になってるな」
「俺…遠目でよかったわ」
「…でも、ホントに良い曲だよね、コレも」
ハルトはまた、しみじみ言った。
そして最後の曲…
「…このカオルさんがまた…すげー良かった…」
ショウヤは更に、息を上げた感じで呟いた。
「めっちゃフラフラだったよなー」
自分でも、よく乗り切ったと思います…
「この、手が届きそうな所が、たまらない…」
ショウヤはうっかり画面に手を伸ばしていた。
そしてエンディングの…
僕がギターを見上げている場面からの…
サエゾウ僕に触る場面…
客席からの悲鳴が、DVDにも入っていた。
「はああー」
ショウヤからも、悲鳴が漏れた。
「これ、ホントにワザとじゃないんでしょ?」
ハルトが言った。
「…はい」
これっぽっちもワザとじゃないんです〜
そーなっちゃったんです〜
「心配だったけど、結果オーライだな…」
カイが言った。
「うんうん、すーっごく良かった」
こんなんで…ホントによかったんでしょうか…
「あれ…」
サエゾウがふと気付いて言った。
「なんか、ショウヤがヤバい感じになってますけど」
DVDを観ながら、はぁはぁしていたショウヤが、
まるで、LIVE直後の僕の如くに、
ブルブルと震えていた。
「今日頑張ったもんねー」
ハルトが言った。
「そうだよなぁー」
カイが立ち上がって、ショウヤの側に行った。
「ショウヤ…平気か?」
カイが、そう言いながらショウヤの肩を叩くと、
彼はビクビクっと震えた。
「…あんまり…平気じゃない…です…」
カイは、若干面白そうに、
そのまま、彼の肩から腕を撫でながら、続けた。
「…どんな感じに平気じゃないの?」
「…あっ…」
ショウヤは身悶えた。
「…どうして欲しい?」
「…んんっ…」
「カオルに姦られたいの?」
「…はい…」
ええええーっ
「…だってよ、カオル」
「…」
そんな事言われても…
この程度の酔っ払い具合じゃ
黒いスイッチ入らないんですけど…
僕がオロオロしていると…
シルクが立ち上がって言った。
「ショウヤ、頑張ってくれたからな…」
そう言って彼は、ショウヤを椅子から下ろし…
床に押し倒した。
「…んんっ…」
「カオル、来て…」
僕は、言われるがまま…
仰向けにされたショウヤの側に行って座った。
「料理してやろう」
は?
「こいつを料理しよう」
うわーまたワケの分からない事言い出したー
「包丁持ってきますか?」
僕は冗談半分で言った。
ショウヤはそれを聞いて、ウットリして言った…
「カオルさん…僕を捌いてください…」
もーなんだよ、それ
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