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家を出てから 第十六話
「ゆ、悠羽!ぼ、僕タキシードなんか持ってない!」と悠羽の肩を揺らして言う
悠羽は驚いて「ええっ!?」と言った
そ、そんなに驚くことかなぁ〜
普通の大学生は持ってないと思うんだけど...
「僕が貸してあげようか?」
「えっ?いいの!?」
よ、よかった?
「身長もそんなに変わらないし!」
「なんならあげるよ?」
「貸してもらえるだけで良いよ!ありがと!」と悠羽に抱きつき、今日も一緒に帰った
家に着き、誰もいない部屋に「ただいまぁ〜」と言い
靴を脱ぎ、一人ぼっちの部屋を眺める
「・ ・ ・」
「はぁ〜」思わず、静かすぎてため息をついてしまった
元々は1人がよかったんだけどね
でも、愛してる人と暮らすと、心に余裕ができるというか、寂しくない
抱きしめて欲しい...激しいキスをして欲しい
思わず、唇を人差し指で触った
怜央さんと初めてのキス柔らかくて激しくて、やみつきになってしまいそうなキス
ぼ、僕どうしちゃったのかなぁ〜
ブンブンと左右に振り、いやらしいことを考えるのをやめた
今日も朝、お昼食べなかったためお腹がすいていた
空腹を紛らわすものもない
だから、冷蔵庫からスーパーとかで60円ぐらいで売ってるおにぎりを、食べる
贅沢なんかできない
バイトもクビになったんだし、早く見つけないと...
おにぎりを食べ終わり、レポートをして、就寝した
代わり映えのない2日間をすごしやっとパーティー当日
今は、悠羽を大学で待っている最中です
大学から歩いてパーティー会場に行くので、悠羽と待ち合わせ
それに、パーティータキシードを借りないといけないのでそれも待っている
あっ!やっと来た!
「悠羽〜」と悠羽に向かって手を振り、合流できた
「はい!これ」と紙袋に入ったものを渡され、大学の更衣室で着替える
ど、どうかなぁ〜似合うかなぁ〜
悠羽が待っているので、すぐに更衣室から出て、一緒に行く
悠羽からは似合ってるじゃん!と言われ僕はルンルン気分だった
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