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契約 第十三話

それから車で大学まで移動した アルファが高級車に乗るのはわかるんだけど、オメガが高級車から出てきたら騒ぎになるかもしれないから、大学の手前で降ろしてもらった 「いいんですか?ここで」と高瀬さんが言う 「うん。ありがとうございました」とお礼を言って、出ようとした瞬間腕を掴まれた パッと掴まれた方を振り返る 案の定、掴んだのは怜央さんなわけで、「なんですか?怜央さん」と言う 「いや、なんでもない。頑張れよ」と言われた が、頑張れよ…。だって 染みる。心に染みるよ 僕が内心喜んでいるのを隠しつつ「ありがとうございます!」と最高の笑顔で言った 怜央の「ウグッ」という声はゆきの耳に届くことはなかった これなら、講義も頑張れる! そして、怜央さんと高瀬さんのお陰で5分前には講義室に入室できた その数分後ぐらいに悠羽が来た 僕の元にやってきて「おはよぉー」と眠たそうに言う 僕も「おはよう」と返す 悠羽も座って講義が始まった。 悠羽はうとうとしながら必死に耐えていたが寝てしまった 僕はそのまま授業を受ける そして、講義が終わり、次の講義、また次の講義と進んでいった 最終講義も終わり、やっと帰り 「ん~疲れた!」 「そうだね。ファ~」とまた欠伸をする 悠羽はどんだけ寝るんだよ あっ、そういえば高瀬さんが待ってるんだった 待たせちゃいけない!そう思い急いで準備をして、悠羽に「先に帰るね!バイバイ!」と告げて講義室を出た コケないように急いで早歩きをしていると、門の前に人だかりがある ん?なんだろ… 急いで門に近づく 何故か嫌な予感がする。嫌な予感しかしない…。 人混みをかき分けて、やっと抜け出せた 僕だけ目の前に出ちゃって、みんなワァーワァー言ってたのが一気に静まり返る 誰あの子みたいな感じ もう一度戻ろうかな そう思い、後ろに立ち去ろうとした瞬間。「ゆき」と聞き覚えのある声がした その聞き覚えのある声は怜央さんだった

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