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湖畔の城 3

 城の不具合は空調。城の中を一定の温度に保つ魔道具が、上手く作動しない時があるらしい。特に朝と昼の寒暖差が激しい時に誤作動を起こすんだって。 そろそろ寒くなって来るし、ロム先生に相談しようと思っていた所だったらしい。 ネルからクー、レンさん、ロム先生と、かなりまわりくどいが何とか伝わって返事をもらった。 それが・・・明日は授業を休んでもいいから、一晩泊まって明日の早朝から昼すぎまでの温度のデータをとって、気付いた事をレポートにまとめて欲しいって??!コイルさんに聞いたら「一泊していただくお部屋をご用意いたしますのでぜひお願いします。」だって??! 「コウは明日仕事だよな?」 「うん、でも夜勤なんだ。夕方から次の日の朝まで。」 「・・・じゃ、じゃあ、コウも一緒に泊まる?」 「い、いいの???!!」 「う、うん。ここの一部屋はどれも広いし、一人でも二人でも大差ないから・・・」 「泊まる!!」 あぁ、また見えないはずの尻尾が高速で振られてるのが見える気がする・・・ 一人と契約精霊が増える事をコイルさんに言ったら快諾してくださって一安心。「もとよりそのつもりでしたが?」って言われて顔が赤くなっちゃったよっ!! 母にもネルからファーに連絡してもらう。「あら、ごゆっくり♡」という返事に脱力する。ロム先生の仕事の手伝いだからね??! コウもアキさんにジン経由で連絡して真っ赤になっていた・・・だから、ロム先生の仕事の手伝いだからねっ??!! 今日泊まる部屋に案内された・・・これってスイートルームじゃないの?? コイルさんは、 「今しばらくは結婚式等の予定はございませんので。どうぞお気になさらずごゆっくりお過ごし下さい。」 って言うし。何かいたたまれない。  夕方になり、塔の上から沈む夕日を見る。絶景だな!空とともに湖がピンク色に染まって、何とも言えない幻想的な景色が眼下に広がる。空には月も出ている。今日は満月だったっけ? あまりにも綺麗で幻想的な景色に圧倒され、言葉を失っていると後ろから抱きしめられた。コウの温もりを感じ、その手の中に素直に身を任せながら、夕日が完全に落ちるのを眺め続けた。 次第に月明かりが主張しだし、完全な夜が訪れる。星もすごいな。落ちて来そう。 「リン、寒くない?」 話しかけられてハッと我にかえる。コウの声を聞くの一時間ぶりくらいかも?黙って景色を見続ける僕に付き合ってくれて申し訳ない。ジンとネルはとっくにイチャイチャしてるのに。 「ごめんコウ。僕景色に見惚れすぎだね。」 「うううん。リンがオレの腕の中で安心しきって景色を眺めてるのとか最高だから!!」 ・・・ソウデスカ。 「部屋に戻ろう。そろそろご飯の時間だし。」 部屋にはすでに晩御飯の準備が出来ていた。 「急な事でしたので、従業員と同じメニューですが」 とコイルさんに申し訳なさそうに言われたが、鉄板に乗った熱々のハンバーグはめちゃくちゃ美味しかった。パンもご飯も食べ放題だったし、食後のデザートまであって、こちらこそ申し訳ない感じだよ。 「では、夜番の者が、朝七時までの室温を十五分ごとに測りますので、七時に従業員の控室までお越しください。朝食も用意しておきます。不具合が起こるのは大体気温が上がり始める昼前から昼過ぎです。」 「分かりました。今日は色々とありがとうございました。」 「いえいえ、こちらの方こそ、ロム先生に早く連絡出来て助かりました。ではまた明日。お休みなさいませ。」 「はい。お休みなさい。」 コイルさんが晩御飯の食器を乗せたワゴンとともに出て行く。 ジンとネルはリビング横の部屋に早々にこもってしまった。緊張してコウの顔が見れないよ。けど、僕から求めたいって言っちゃったしな・・・ええいっ! 椅子に座っているコウの膝に乗ってみた。 「リン??!・・・真っ赤になって・・・可愛い。リンが可愛すぎてヤバい・・・」 僕をお姫様抱っこしたまま立ち上がるコウ。そのまま歩いてベッドにそっと下ろされた。 「リン、可愛い。好き、大好き、本当に愛してる。一生大事にするから。絶対にオレがリンを嫌いになる事なんてないから。リンはオレを信じて?」 「・・・こんな場所だし、本当に結婚式の後の初夜みたいだな。」 「そうだね。すごく嬉しいよ?このまま結婚したいくらい。」 そう言ってコウは僕の顔中に軽いキスをし、唇にもチュッと音を立ててキスをした。しばらく間近で見つめ合い、どちらからともなく深く口づけていく。お互いに舌を絡ませて貪り合う。息が出来なくなって思わず顔を離したが、僕の半開きの口から出ている舌をコウが甘噛みしてきて、また深いキスが再開される。 キスだけで息が上がり、とろとろに蕩けてしまった僕の頭を撫で、 「可愛い。リン大好き。愛してる。」 って言うコウに何も言い返せない。 コウの手が頭から頬、首筋、と下りて来て、僕の服に手をかける。ボタンをはずし、ズボンと下着も脱がされた。 コウも服を脱ぎ、抱きしめられる。 肌と肌が直接触れ合うのって気持ちいい。僕もギュッと抱きしめ返すと、コウのモノが一気に硬く大きくなった。 「・・・や、やっぱり僕には大きすぎない?」 「くっ!煽らないでってばっ!!」 「だって無理だよぉ・・・」 「あぁもうリンが可愛すぎて可愛すぎて死にそう・・・リン、大丈夫。めちゃくちゃゆっくり時間をかけてほぐすから。時間もたっぷりあるし、リンが大丈夫って思えるまでは絶対に挿れないから。」 「うん・・・」

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