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出会い ティム2
自己紹介をして、一目惚れをした事、エナはオレの番だと確信した事を告げる。その間にノンはぬかりなくドナを手に入れたようだ。
精霊は本能に忠実だ。お互いに繋がり合うと、本心にも同調出来るので迷いがない。ノンもドナに一目惚れをし、すぐにアプローチをかけた。それが本心だと分かったドナは、自分もノンに惹かれていると素直に認め、繋がる事を許可したのだろう。後はもう、二人の世界だ。精霊は精神的な性交が主流なので、ノンはすぐにドナに手を出したというわけだ。
まったく、精霊が羨ましい。
エナは不審がりながらも、そんなドナをノンから引き離すことはせず、オレとノンをエドナ診療所に入れてくれた。
ノンとドナをカーテン付きのベッドに押し込み、少し話をした後、オレはエナの仕事を手伝う事になったんだ。
子ども相手に優しく対応しながら回復魔法をかけるエナ。うん、いい。オレの理想がここにいる。
次の婆さんは、毎日痛みを取ってもらいに通っているらしいが、根本的な治癒はエナの回復魔法では出来ないらしい。オレの出番だ。オレが回復魔法をかけると完全に治ったらしく、えらく感謝された。そしてオレとエナの事を応援してくれると言う。うん、気分が良い。
だが良かったのはそこまでだ。
その後も数人の患者を診たが、五人に一人くらいは完全にエナ目当てのヤツがいる。
一番危険だと思ったのは騎士団のサムとかいう男。筋肉痛を治しによく来るらしいが、鍛えて筋力をつけたいのなら、魔法で治すより、自然治癒の方がいい。
それを言うと明らかに不機嫌になりやがった。エナ目当てなのがバレバレだ。
エナは天然なのか「正しい筋力の付け方が分かって良かったですね!」などと言っていたがw
その他にも、やたらと胸元が開いた服を着て体を寄せて来る女や、繊細さを装ってエナに甘える男など、多数。だがエナはそういう好意に気付きもせず、普通に治療している。確実に天然だな。
そうこうしているうちに診察時間が過ぎ、最後の患者も帰った。
「ふう、お疲れ様です。色々手伝ってもらって助かりました。僕では治せなかった病気や怪我を治してくださった事に感謝しています。ところで、給料の件なんですが・・・」
「給料?ならキスをしていいか?」
「はぁっっ??!」
「金はいらないからお前の口付けが欲しい。」
「いやいや、それはないですっ?!それ以外でお願いしますっ!」
「ではハグをしてもいいか?」
「ま、まぁ、それくらいなら・・・」
オレはエナが言い終わるまでにエナの細い腰を引き寄せ、しっかりと抱きしめた。
エナの顔が真っ赤になる・・・可愛すぎるだろっっ!!!
「・・・エナ?本当にキスは嫌?」
「えっと・・・僕、キスとかした事ないんで・・・嫌かどうかも分からないって言うか・・・」
無理っ!!可愛いがすぎるっっ!!!
「なら試してみよう。嫌ならすぐにやめるから。ねっ?」
そう言って軽く啄むように、エナの唇にオレの唇を合わせる。びっくりしてのけぞるエナ。プッ!本当に猫だなw
「嫌だったか?」
「分かんない・・です・・・」
「なら、もうちょっと試してみよう?」
オレはエナの顎を押し上げ、もう一度軽くキスをする。
嫌がる素振りがないので、そのまま唇を合わせ続ける。正気に戻ったエナがオレから離れようと身を捩り、何か言おうと少し開いた口の中に舌をねじ込む。
「んっ?!んふぅ・・・」
容赦なくエナの口腔内に舌を這わす。上顎を舐め、歯列をなぞり、舌を絡める。酸欠状態になったエナが真っ赤な顔をして、オレの体を叩くが更に興奮するだけだ。
一瞬唇を離してエナの耳元で囁く。
「こういう時は鼻で息をするんだよ?」
「んっ!無理ぃ・・・」
完全に体の力が抜けたエナを抱きかかえ、更に深くキスをする。
・・・もうこのまま抱いてもいいかな?
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