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第23話

-意識を取り戻した時、俺は全裸で両手を広げてベッドに縛られていた。 「………気がついたか?」 治朗に見下ろされている。 「…何の真似だよ…放せ!!」 俺は自由になる足をバタバタと動かし、暴れた。 その時。 ピシッ!! (-痛い!!) あろう事か、治朗はベルトで俺の裸の身体を叩きやがったのだ。 喉元まで出かかった悲鳴をすんでのところで呑み込む。 治朗は何が面白いのか、笑いながらベルトを俺の身体に振り続ける。 俺が悲鳴を上げると、ますます面白がるに決まっている。 -意地でも悲鳴なんか上げるもんか。 と思っていても、痛いものは痛い。 足をバタバタさせてベルトが身体に打ち下ろされるのを防ごうとするが、そうすると今度はベルトが足に当たって痛い。 「…止めろ!!!ふざけんな!!」 喚いて暴れる俺にはお構いなしに、ベルトの鞭は振り続ける。 「…大声出して助けを呼んでもいいけどね、樹生も知っているように部屋に鍵はないから。人にその姿を見られてもいいのかな」 (…人に見られる……) ドクンッと心臓が高鳴った。 そんな俺の変化は治朗には丸わかりで………。 治朗が俺の反応した部分を見詰め、ニヤリと笑う。 「…やっぱり……樹生はこういうプレイが好きなんだね………実はオレもこういうの、嫌いじゃないよ…気が合うね……ナンならドアを開けて公開プレイ、しちゃう?」 「止めろ!!」 思わず叫んだ。 -治朗なら本当にする。 そう思えて。 叫ぶ為に口を開いた……その瞬間を待っていたようなタイミングで、治朗は俺の口の中にタオルを突っ込んできた。 「…うぐ…っ!?」 「止めて欲しかったら、大人しくしていようね?」 にっこり笑う治朗。 ベルトが俺の身体に降ってくる。 (…ふざけるな!!) 笑いながら俺にベルトを振り下ろし続ける治朗を睨みつける。 …俺と治朗の視線が合う。 治朗が楽しそうにニヤリと笑って…嫌な予感がした。 (何をする気だ………) 治朗の視線は俺の下半身に………。 「……ひゃへひょ…」 (………やめろ………) 俺はその恐怖に血の気が引いた。 「何、言ってるの?……分かんないんだけど」 治朗がベルトを思い切り振り上げる。 「………ひゃへヘふふぇ~!!」 (止めてくれ……っ!!) 「……アハハ、何、言ってるのか全然、分かんないよ~?」 笑いながらベルトを振り下ろす。 -俺のペニスに…。 「……ひゃへひょ~~~っ!!」 (…止めろ~~~っ!!) ピシィッ!! 「…ヒグ…ッ…グググ~~ッ!!」 -俺が上げた悲鳴は口に詰め込まれたタオルに吸い込まれ、声にはならなかった。

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