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こんな時にだって思い浮かぶのは
翌朝、俺は己を蝕むような痛みとともに不快に目覚めた。
──シュルッ、シュルル…ボトッ
添え木代わりにしていたダンボールと包帯を解き、保冷剤を引き抜く。
「……歩けない気がする」
いや、てか歩けない。無理。ケンケンも這いつくばるのも無理。
ケンケンは振動、這いつくばるのは床と素足がくっついて動かされて痛む。
スマホは基本的に眼鏡と一緒に机の上。ベッドの上からじゃ届かない。壁に掛けた時計に目を凝らせばまだ7時。母さんは8時くらいまで寝てるし、父さんは仕事で休日当番。
流石に平日の家事に仕事に疲れている母さんを起こすのは気が引ける。昨日、「一人で大丈夫」って言ったし。
「……はぁ」
添え木を仕直してゆっくり、恐る恐る床に足を付ける。
「──っぅ!」
やばい、かも。
「……桜和……」
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