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Happy Halloween
10月31日。
世界的にもハロウィンの日は賑やかになる。
「奏様!ハッピーハロウィンですね」
「あぁ、そうか。今日はそんな日だったな」
「お菓子をくれないと、悪戯しますよ?」
今日は珍しく、やけに積極的な袮音に、奏は敢えて意地悪をする事を考えた。
部屋に招き入れ、ただハロウィンだからと浮かれ気分な状態の人間をタダで帰す訳にはいかない。
「お菓子かぁ。それなら、ここにあるから取りに来るといい」
「取りに?」
少しばかり疑問に思った袮音だったが、奏に言われた通りにお菓子を取りに行くと腕をグッと引っ張られ、すっぽりと奏の体の中に収まる。
「ほら、お前が言っていたお菓子」
口を開けて見せると、そこには大きめの飴があった。
前歯で器用にその飴を軽く噛み、お前はこれが取れるか?と言ってるような表情を見せる奏。
「そ、それは…狡い、です」
「狡い?お菓子をあげないと、悪戯をするんだったな?!では、この飴を食べるか俺に悪戯でも仕掛けるか…どっちが都合が良いだろうな」
ニヤリと口角を上げて笑う顔に、袮音は折角のハロウィンを楽しみたいと思い、飴は諦めて奏に悪戯を仕掛けることにした。
◇ ◇ ◇
「ぁ、んんっ…」
だが、そんな簡単に悪戯を仕掛けることなんて出来ず、あっさり相手の言いなりになっていた。
「可笑しいなぁ。悪戯はどうした?」
白い素肌に大きな手を滑らせる。
乳首をキュっと摘んでやると、気持ち良くて甘い声が漏れ始める。
「んぁッ、ぁ…」
「お前が欲しかった飴、まだあるぞ?」
また口を開け、今度は舌に乗った飴を見せてやるとだいぶ溶けて小さくなっていた。
これなら取れるかも知れないと思った袮音は、必死に飴を取ろうとキスをする。
舌を入れ、口の中にある小さな飴を探すが、奏の舌がそれを阻止するかのように動き回っている。
いつの間にか、お互いを貪るような激しいキスに変わり、袮音は呼吸するのが精一杯。
「ぷはっ…ハァハァ、奏…さ、ま…飴、どこ…」
「お前が中々取らないから、溶けて無くなった」
「え!?そんな…」
「ま、袮音にして頑張ったんじゃないか?」
頭をポンポンと軽く叩くと、嬉しくてつい笑みが溢れる。
その手の優しさに、袮音は奏に寄り添う。
「ごめんなさい。学校でハロウィンの行事をやったら楽しくて…奏様とやってみたいなって思って」
「そうか。まぁ、お菓子も悪戯もどっちも出来なかったが、どうだった?」
「これはこれで、良かったです」
一時 の夢を見ているような、心地良い空間だったのは袮音が一番感じていた。
【END】
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