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40、第7話「頼れよ」
新学期になって俺も無事に二年になった。
「琉生ーっ!よかったじゃーんっ!」
凛華が走ってきて俺たちは共に笑う。
今までと違うのは抱きつかなくなったこと。もちろんキスも。
「クラスは?」
「一緒ーっ!今度は美空もだよ!」
「マジか!」
言いながら掲示板を見上げた。
「んー?武野くんも同じ二組!だから、行こーよー!」
「いや、あいつはどーでもいいし……」
少し遠慮がちに引かれた腕より俺は掲示板から目が離せない。
宮部は?あいつは何組?
凛華から二組と聞いてとりあえず二組の名簿に目を走らせた俺は今年も“村瀬”の前に“宮部”があってホッと胸を撫で下ろした。
あいつと一緒がこんなに嬉しいなんて……何度否定しようとしても、今だって宮部が居ないかその姿を探している自分に気づいて笑えてくる。
あいつにおっぱいないのになぁ。
かといって筋肉もなさそうなその姿を思い浮かべるだけでドキドキした。
「あっれぇ?琉生ー?ニヤニヤしてどーしたの?何かエッチなことでも考えてたー?」
目の前で手を振る美空に気づいてその姿をしっかり捉えると慌ててそれまでの思考を消し去る。
「はぁ!?って、お前が胸くっつけてきてるからじゃねぇかっ!!」
「えー?本当にエッチなこと考えてたのーぉ?」
「美空!お前に州人事はねぇのか!」
「はぁ?……あ、羞恥心!?琉生もねー!バカ過ぎっ!」
その豊満な胸に埋められている俺の腕を引き抜くと美空は声を上げて笑った。
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