11 / 50
第11話
「童貞が生やしてはならないものですよ」
シャキーン!
クレイの右手にはT字カミソリが。
どこからそんなものを★
「ちょっ、待って」
「大切なプライベートゾーンです。傷つけないようにジェルを塗りますので、ご安心を」
そうじゃなくって。
「俺は童貞じゃっ」
「ヴァイスリッターが童貞なのは、周知の事実です」
「なっ」
空の騎士団は一体どうして、そんな情報共有をしてるんだァァーッ
「このままでは偽証罪も追加されてしまいます。法廷で不利な立場に追い込まれないよう、陰毛は剃ってしまいましょう」
「ギャアアアー、やめてー」
プライベートゾーンに立ち入るなァァー!
「陰毛を剃ると、おちんちんが大きく見えますよ」
………………え。
「ほんと?」
「はい、ほんとうです」
にっこり。
「根元を覆う陰毛がなくなるので、その分露出が増えて、見た目大きくなります」
それは目の錯覚ってやつだよな〜
でも〜〜〜
「ヒャア!」
股間に冷たいものが。
「ジェルを塗りました。ヴァイスリッターの気が変わらないうちに、さっさと剃毛します」
「まだ剃るって言ってない」
「動かないで。怪我をしますよ」
キラーン
クレイの右手にT字カミソリが光った。
「毛は大切な大人の証だから」
「大きなおちんちん、欲しくありませんか」
「うっ、それは」
「陰毛をツルツルにすれば、憧れの巨根が手に入りますよ」
「でも」
それは目の錯覚だ。実際に大きくなる訳ではない。
「では、ずっとこのまま。可愛いサイズで一生お過ごしになるのですね?」
「可愛い言うな!」
「プルンプルン揺れて、子犬のしっぽのように可愛いです♪」
クレイがひどい!
「そういうクレイはどうなんだっ」
「おや?俺の股ぐらに興味がおありで?」
「そっ、そういう意味じゃなくって」
もしかして俺、壮大な地雷を踏んじゃった?
「童貞ではありませんので、陰毛を生やしていますよ。エチケットとして処理はしていますが、大きく見せねばならぬ程、矮小ではありませんので。太さ、長さ共に巨根の分類に入ると自負しております」
……あ、そ。
知らなくていい情報を得てしまった。
「ボーボーがお好みで?」
「違う!」
物悲しく映った俺の顔に、何を勘違いしたのか。
「良かった。それでは剃毛できた暁に、俺の股ぐらを見せてげますね」
………………へ?
「ヴァイスリッターもお年頃。そんなに期待されているとは、思ってもみませんでした。どうぞ、心ゆくまでご覧下さい。剃毛のご褒美に、股ぐら鑑賞を差し上げますね♪」
ともだちにシェアしよう!