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「またなんか人間の国がやってるみたいです」魔王視点

 私はこれまで人間の国に興味を持ったことはなかった。  初めて”人間”に興味を持ったのは、自分以上に魔力を持っている存在であるクルトが生まれてからである。  さすがにあの強大な魔力は私にも感じ取れた。  あの人間は魔の国に来るだろうか? こないならば己の能力を知らないまま人間の国で一生を終えるのだろうか?  それは純粋な興味だった。  もし人間の国から動かないようであれば、20歳ぐらいになったら攫いに行こうと思っていた。だがクルトは勇者の剣(なまくら)を抜き、魔の国までやってきた。  私はクルトになら殺されてもいいと思っていたが、クルトは自分を愛してくれる存在を求めていた。  それを知ってかわいいと、愛しいと思うと同時に不憫だとも思った。  女性を連れていたことから美女に変化して待っていたが、クルトは男性に愛され抱かれることを望んでいた。そんなことならと元の姿を見せれば、クルトはとても喜んだ。  素直で愛しいクルトを永遠に離すものかと決意した瞬間だった。 「あぁんっ、あんっ、あんっ、あんっ!」  今日もクルトは私の巨大なイチモツを根元まで受け入れて喘いでいる。  これまで私のイチモツを受け入れられる者はそういなかった。受け入れられても射精をすると壊れる者ばかりで、私はもう何百年も誰かを抱いていなかった。だがクルトは私のイチモツを受け入れても正気でいられた。  今やクルトは私のかわいい妻だ。三日三晩抱き続ける婚姻の儀を経て、クルトは私の嫁になった。それによりクルトは魔族になったので、もし私が死ぬことがあれば次の魔王になることだろう。クルトはとてもかわいいから、私と離れるのは嫌だという。  本当にけなげで愛しい嫁だった。 「魔王さま、報告です」  イオールが何やら情報を入手したらしい。  私はクルトのおまんこを犯したまま話すよう促した。 「人間の国で新たな勇者の剣が打たれました。また勇者を募集しているようです」 「懲りぬことだ。それなりに魔力がある者がいればいいのだがな」 「そうですね。国が平定しただけでは済まないのでしょうか?」  イオールが首を傾げた。  私も他に何を望むのかと考えてしまうが、平和になったらなったで国民の不満の矛先などを定める必要があるらしい。それが人の国で悪さをしている魔族に向かっているのだろう。  魔族が悪いということはそれを統率する魔王が悪い。だから魔王を滅ぼせという思考になるのは理解できなかった。  人間とはなんとも単純な思考を持つ生き物らしい。  確かにクルトも単純と言えば単純だ。私はそんなクルトを愛しているのだから問題はない。 「ぁあんっ……旦那、さまぁ、あんっ、あっ」 「クルト、どうかしたのか?」  感じながらも何事か伝えようとするクルトはかわいい。少しだけ腰の動きを緩めてやった。 「あっ、あっ……勇者、は……」 「まだ選定中であろうな」 「今度、は……僕が……」 「だめだ」  クルトは正義感が強い。今は私や魔族たちのことを愛しているクルトからしたら、人間の勇者をほっておくことはできないらしい。  だがクルトの魔力量にかなう存在はいないし、まして私の魔力量に匹敵するような者も存在しないのだ。  世界には理があり、世界に満ちる魔力量は総量を超えることはないのだ。  だから私やクルトが消滅しない限り、私以上の魔力を持つ存在は産まれないことを私は知っていた。 「でも……」  トンッと腰を突き上げてやる。 「あぁんっ!?」 「クルトは私の妻であろう?」 「んっ……そ、そう、です……」  またずんっずんっと結腸を抉る勢いで腰を動かした。 「あっ、あんっ、あんっ、あんっ!」 「妻は夫の言うことを聞かなければならぬ。そして私が満足するまでこのおまんこを犯されなければならないのだぞ? 勇者などと対峙するヒマはない」 「あああっ、イッちゃ、あぁんっ、イッちゃううっ!」 「イケ!」  更に抉るように腰を何度もグラインドし、クルトのおまんこを犯しまくった。  クルトのおまんこは名器なので、何日犯し続けても飽きないのだ。だからつい延々犯してしまう。  どれだけ抱き合っただろうか。クルトの顔が涙と涎でどろどろになっているのもかわいくてしかたがない。 「ようやく勇者が選定されたようです」  イオールは報告に来がてら、クルトのちんちんの中を舌で犯した。 「あぁんっ、イオっ……くわしくっ……あぁあああんっ!?」  まだクルトは諦めていなかったので、私はそれから妻のおまんこをたっぷり拡げ、卵を奥に産み付けた。 「やぁあんっ、そんなっ、そんなぁっ……あぁああんっ!」 「クルトの身体は大事だからな。これから生まれるまでずっと抱き合おう」  そう言って、クルトをベッドから出させないようにした。妊娠したことでクルトはより感じまくり、四六時中私の精液を求めた。  その間に人間の勇者は魔の国に入ったらしかったが、それほど魔力もなかったので道半ばで潰えたという。  そして勇者の剣も魔剣にはなっていなかったので人間の国には戻らなかった。  これでまたあと十年ぐらいは攻めてこないだろうと、私は愛しい嫁を抱きながらほくそ笑んだのだった。 Love Love Happy End! これにて完結です。 最後までお付き合いありがとうございました! 気に入っていただけましたら、「第三回 fujossy小説大賞」の投票をよろしくお願いします。 それではまた別のお話でお会いしましょう。

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