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みゃーみゃーいうのは俺じゃない
ぐちゅぐちゅ
「ん・・・ぁ、はぁ・・・あ・・」
部屋に響く淫らな水音は、激しく揺さぶられては泡立っては消える。
「はぁ・・・ん・・。ああ、ミヤ、ミヤ・・・」
一層と、強く激しく揺すられ、奥へと熱杭を押し込まれたのと同時に、熱い飛沫を感じた。
なんでこうなった?
宮本都は嗅ぎなれた香りを感じたながら、意識を手放した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
香りの主は、鴻上昴。
190近い高身長に、一度も弄った事の無い黒く艶やかな髪。くっきりとした二重にスッと通った鼻筋。成績は常に上位。スポーツ万能の最近ハイスペックイケメンに成長した幼馴染は家柄も良く、一族で代々経営している総合病院の末っ子次男坊。
片や、俺は昴よりも少し低い身長に、所謂三白眼で一見すると、怒っている様にも見えるらしく、初対面の人にはなるべく笑顔を向ける様に心掛けている。成績はそこそこ優秀な方だと思っているけど、スポーツに関しては何故か昴や周囲に止められる事が増えた。なんでだ? まぁ、昴監修の筋トレメニューのおかげで、筋肉はあるとは思う。そーいや最近、制服の胸周りがきつくなってきたし、筋トレの回数増やすかな?ふにふにと自分の胸周りを揉みながら、渡り廊下を歩いていると、同じ学年の生徒に声を掛けられた。
「宮本? 何、ぼーっとしてんだ?」
「いや、最近太ったかなぁ・・・と思って。」
後ろから、声を掛けられ、思わず自分の上半身を抱きしめて答えると、Yシャツのボタンが飛んだのと同時に「うっ・・・・。」そう呟いてクラスメイトが蹲る。
「!? だ、大丈夫か?」
フガッ・・・!!!
手を差し伸べようとしたら、今度は鼻血を出された。
ええ・・・、ちょっと、怖いんですけど。って、ん?なんか、急に周りの空気が冷たくなってきたか?地の底を這う様な低い声が後背後から聞こえてくる。
「ミヤ、どうかしたのか?」
「か、彼が急に倒れて・・・って、オイ!!」
「だ、大丈夫です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
其の場に蹲ってた、生徒は顔を隠す様に前かがみのまま走って行く。
「・・・なんだったんだ?」
「ミヤ、それどうした?」
ツンと胸元を指差された、自分の胸元は第二ボタン、第三ボタンが取れはだけていた。
「あー、太ったからかなぁ?今、ボタン飛んだんだよなぁ。」
「・・・ネクタイは?」
「さっき、濡らした。」
都がそう答えると、昴は溜息と共に、自分の絞めていたネクタイを外し、都の首にそのまま絞めなおす。そのついでに、開けたワイシャツも整えられる。
んっ・・・。昴の指先が、シャツの上から都の乳首を掠めた。
「ちょ・・・昴、止めろって。」
「何が? ねぇ、所で・・・なんで、インナー着てないの?」
「えー? あ、体育なかったから別にいいかなぁって。」
「・・・普段から、ちゃんと着なよ。 はい、これで良いかな。」
しっかりと、安全ピン迄付けられていたのを見て、思わず関心してしまう。ホント、良くここまで気の利く男に育ったもんだ。口元から、視線を上げると目が合う。つい、昔の癖で頭を撫でようと、手を上げると頭を少し下げられる。
昴の方が産まれは半年遅く、中学で身長を抜かされるまでは後ろを着いて来ては、都が世話をするのが日常だった。昴自身も、歳の離れた兄妹に可愛がられていた所為もあり、都に構われるのが当り前だと思っていた。どこへ行くにも常に一緒だった。
高校に進学する迄はそれが、続くものだと思って疑わなかった。
小中高とエスカレーター式の学校で、大学もまで付属であり、油断していたのだと思う。
良くも悪くも、クラスは次の進学まで持ち上がりで、クラス分けのテストで、気が付いた時には、一問ずつ設問がズレていた。その所為で、初めてクラスが別れてしまったのだ。
今思えば、その頃から少しずつ何かが変わっていったのかも知れない。
クラスが離れたと解った日には、昴の機嫌は壮絶に悪く、母親経由で一緒に登校して欲しいと頼まれた。それと同時に、親から既に連絡先の入った携帯を渡された。初めての携帯に、なんの疑いも持たずに喜んだが、親と昴との連絡以外に使わない事に最近気が付いた。
まぁ、最近は充電も禄にしてないから、昴に小言いわれるんだよなぁ・・・。カバンから携帯を取り出すと充電の残量が15%の表示と充電を促すメッセージが出ていたが、これくらいなら、一日持つな。とまたカバンへ戻す。
その結果、昼休みには充電がなくなり、授業が終わるたび昴が教室に来たので今ではクラスメイトにまで、携帯の充電量を言われる様になった。なんなら、教室に充電器が用意されていた。なのに、誰も連絡先を聞いてこないんだよな。え・・・俺、実は嫌われてる?
なんて思わず、昴に相談した翌日に、何故か担任とクラス委員のアドレスが追加された。
先生、めっちゃ涙目だったけど、本当は生徒にアドレス教えたくなかったのかもな。なるべく先生には迷惑掛けない様にしないとな。
それでも、この3年間は、色々な事を考えるのには丁度良かった。
昴と離れた事で、自分達の関係を客観的に見る事が出来た。今までが近すぎたから、気が付かなったが、この幼馴染は本当に良くモテた。先輩後輩、男女問わず、昴が告白されているのを目撃したのは10回を超えた辺りで数えるのを止めた。イベント毎に、昴の教室にプレゼントBOXが置かれていて、吃驚した。まぁ、俺も面白そうだと思って、何回か飴やチョコを入れてみたら、「基本食べ物は入れないで、直接渡して。」と昴に言われたから、ちゃんと中身を確認してて偉いなと関心してしまった。
直接渡す勇気が無いなら、そこに入れて置けば本人が見てくれるなら、有難いだろうな。
あと、高価なモノも入れても、丁寧に返却されるらしい。無記名も同様で、ルールの守られていないモノは、正門の掲示板に張り出されて持ち主へ返却するらしい。今までに一度も、張り出した事が無いって言ってたから、俺と違って昴は人望があるんだろうな。
俺も、掲示板に張った方が良いのかな?名前の無い手紙って、返事どうしたらいいんだ?
「・・・、その手紙見せて貰ってもいい?」
「ん~、いいけど。多分、入れる机も間違えてると思うんだよなぁ。」
「へぇ・・・、それなら捨てても良いと思うんだけど?」
「それは、酷くないかぁ?すげー、一生懸命なのは伝わって来るんだよ。」
「ふーん、そうなんだ。ミヤは、この差出人が解ったら、なんて返事するつもりなの?」
「・・・?返事? いや、間違えてるぞ!って伝えたいだけだけど?」
そもそも、手紙の内容が『慈愛に満ちた微笑み』だの『全てを包み込む様な包容力』だの外見から中身迄褒め称えていた。そんなのは、俺には当てはまらないしな。
「・・・この字誰か解るから・・・、僕から伝えとくよ。」
「マジで?! やっぱ、昴は凄いな! 俺、お前の字位しか解んないわ。」
「・・・」
本当、昴は凄い奴だと思う。
前に、先輩に「そんな凄い子と居て疲れない?」と聞かれた事があったが、きっと疲れるのは昴の方。
一つの事に集中すると、周りが見えなくなる俺は、地図を見るのが苦手で目的地と気が付いたら逆方向へ進んでいたり、途中で考え事をして、目的地を通過したりして、気が付くと昴が迎えに来ていた。
うっかり電車で見知らぬ土地に途中下車した時も、修学旅行先の行動班で違う路線バスに乗ってしまった時も、担任を引き連れて迎えに来たのだった。
ホント、あの時は先生にも、一緒の班にも昴にも迷惑かけたなぁ、その後の班行動は昴の班も一緒に回ったんだっけ。
そう言えば、あの時、縁結びの神社も行ったけど、あれは昴の班の女子も真剣だったよな。昴も、俺と同じ根付なんか買わないで、あの子達とペアのお守りとか選べば良かったんじゃ?中々、可愛い子だと思ったけど、昴のタイプでは無かったのかな?
「好みのタイプ?」
「俺は、結構スラっとした子が好きかもなぁ。」
「へぇ・・・? 具体的には好きな子でもいるの?」
根付を携帯に付けながら、なんとなく聞いたら低いトーンで聞き返された。
ん?別に周囲に聞かれても困らないけど・・・、あ、女子も居るから気を使ったのか!そうだよな、外見や内面の話なんてセクハラだよな!!やっぱ、昴は周囲にも気遣い出来る奴だよなぁ。
見習わないとな!!そう思い、少し顔を近づけると、昴が顔を寄せ、内緒話の様に耳打ちした。
「いや、居ないけど?」
「ふーん。他は?顔の好みとか、性格とか・・・。」
「他ぁ?顔とか、性格なぁ・・・。顔・・・、あー、俺、昴の顔みたいなの好きかなぁ。俺の目って、怖いって言われるから、昴の目とか羨ましいかも。あと、厚くも無く薄すぎない唇とか良いよな。」そう言って思わず、自分の少し厚めな唇を摘まんでしまう。
「・・・そう?僕は、ミヤのこの涼し気な目元も好きだけどな。」
至近距離から顔を覗き込まれて、経験値高めの顔面に思わず顔が熱くなる。
うっ・・・ホント、こいつ顔がいいな!?キラキラしてるわ。
思わず、片手で昴の顔を隠すと、慣れた動作でその手を掴まれ、引き寄せられた。
「あと僕、意外と胸の大きい子とか好きだよ?」
!!! ひぃー!!!こ、声がエロイ!!!
ミヤの耳に唇の柔らかい感触が一瞬した気がしたが、其れよりも囁かれた声がいつもよりも糖度が高く、一瞬に脊椎に電流が走り抜けた感覚がした。
「ぷっ・・・ミヤ、顔真っ赤。」
か、揶揄われた~!!! 囁かれた耳を押さえながら、昴の方を見ればニコニコと口元に笑みを浮かべていた。掴まれた手が、握りなおされた事に気が付かないまま、都の思考は別の
しっかし、巨乳好きとか意外だわ。巨乳かぁ・・・。俺も胸ならある方だけど?まさか、昴がそんな俗物的な事いうとは思わなかったな。けど、そうだよな・・・・。
子供の頃から、自分の後ろを着いて来ては、何をするのも一緒だった昴は、いつの間にか隣に居たと思ったら、前を歩く様になっていた。その背中を大きく感じる様にもなった。身体を動かすのが好きなのか、興味を持ったスポーツを昴は何でもやっていた。その恩恵か、男の俺から見ても均等の取れた筋肉は、憧れてしまう。しかも、柔軟性のある筋肉の様でムッキムキってよりはシュッてしてるんだよなぁ・・・。腹とか6超えて8とかなってたし。板チョコみたいになってた。
俺も真似して、トレーニングしたけど6から増えなかった。羨ましい。そういえば、いつの間にか一緒にトレーニングしなくなったのは何でだったけ・・・?
「ッく・・・ふっ・・・はぁ・・・。」
「んっ。 はぁ・・・。」
「ッッつ。 はぁ・・・、もうギブ。・・・水欲し。」
「ん・・もう? まだ、付き合ってよ?」
「・・・むっ、りぃいい・・・。」
「はぁ・・・、仕方ないなぁ・・・じゃ、ラスト一回ね。」
「うぅ・・・ん・・・。」
ガッシャ
顎を伝う汗を拭いながら、マシンから手を離すと、横からドリンクボトルを手渡される。
「疲れた~。 汗で、シャツ色変わってるわ・・・。」
ウェアの中に風を送ろうとパタパタ捲るが、汗で張りついて都は諦めてボトルの水を飲んでいた。
隣のマシンでは、昴がまだトレーニングを続けて居る。
同じように顎から首筋を流れる汗がウェアに吸い込まれて、色を変えていく。
「なー、少し重くしても良い?」
「ん~? 良いけど・・・。 ん・・。はぁ・・・」
うわっ、腕の筋肉すげ!
昴の動きに合せて筋肉が隆起し、伝う汗がライトに反射して光る。
「ッん・・・っふ・・・はぁ・・・、ミ・・ヤ、もう・・・・良い? ンッつ・・・。」
・・・なんか、エロっ。
「・・・っはぁ・・・」
ガッシャ!!
「はぁ・・はぁ・・、ミヤ? 水、頂戴。」
「・・・んえ? あ、ああ。」
飲みきれなかった、雫が唇の端を伝って喉元を流れたのを、ウェアの裾で拭い、昴はそのまま脱いで汗を拭いた。
「っちょ!! 昴、た、タオル使えって。」
「? なんで、別に僕らしか居ないんだし良くない?」
「そ、それは・・・そうだけど・・・。」
激しく動かしたばかりの身体からは、蒸気が出ていてバキバキの腹筋にも薄っすらと汗が流れる。そのまま、昴がウェアで拭こうとし、思わずアンダーヘアが見えそうになった。
「お、俺、シャワー浴びてくる!!」
「えッ? ちょ・・・ミヤ?」
え、エロ過ぎんだろ?!何、あの身体!なんか、声とかも、エロイし。少し節のある指は、骨太なのに長さがあるのか太く野暮ったくは見えず、余計な肉も着いていない。血管の浮き上がった腕。
しかも、な、なんかいい匂いした!? う、嘘だろ・・・。
自分の半身に現れた兆しに、唖然としてしまう。慌てて、シャワールームへ入って、レバーを捻って頭から水を被る。けれど、身体から熱が引く事は無かった。
こ、こんな所で・・・駄目なのに・・・。そう頭では解っていても、すっかりと芯を持ったそれに、手を伸ばしていた。
シャワーの流れる音と、自分から漏れ出てしまう声が脳内で響いていた。
や・・・やってしまった・・・。しかも、昴で・・・。ああああああああああああ。
ロッカールームで、頭を抱えて居ると、今一番会いたくない男が顔を出した。
「ミヤ、まだ着替えてないのか?」
「え・・・あ、今着替える・・・。」
「ってか、頭濡れたまんまじゃん。」
「・・・え? あ・・。」
濡れた頭を、タオルで乱暴拭かれ、思わず視線を上げると、目の間には昴が腰にタオルを巻いた状態で、都の頭を両手で正面から拭いていた。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!???????
慌てて上げた頭を下げようとしたが、掴まれて視線が固定されてしまう。
「風邪引くだろ?逃げんなって。」
「じ、自分で、やるって・・てか、昴、お前も着替えろよ!!」
「・・・確かに。 って、ミヤ、顔赤くね? 痛かったか?」
バクバクする胸を何とか押さえつつ、ロッカーを開けて都には、向けられていた視線に気が付く事はなかった。
む、昔と違いすぎるだろ?! 腹だって、前はぽよ~んって・・・、それがあんな陰影つく?それに、絶対アレデカいだろ!!??タオル越しに形が・・・・って、俺、どーした!?落ち着け?幼馴染の男だぞ? はぁ・・・。
きっと、この時別の判断をしていれば、違ったのかも知れない。
~冒頭、数時間前に時は戻り~
高等部へ進学して以来、中に入るのを避けていた昴の部屋は、記憶の中よりもずっとシンプルにまとめられていた。ファブリック類はアースカラーで纏められ、昔からあるデスクの横には、長身の昴に合せて買い換えたベットが置かれていた。
ガチャ
「え・・・鍵・・・」
「ああ、年頃の息子のプライバシー尊重らしく、ミヤが来なくなった頃から付いてるよ。」
「・・・そう・・なんだ。」
なぜだろう・・・凄く、帰りたい。
後ろ手で、鍵を掛けた昴にドアの前をふさがれた状況では、都もベット近くのラグの上に座った。
「・・・ベットに座っても良いのに。」
「え・・、いや・・制服だし?」
な、なんとなくベットの上には、乗りたく無かった。
けれど、最低限の物しかない部屋では、ベットの上かラグの上位しか、座る場所は無かった。
俺の部屋より広いのに、物無さ過ぎだろ!!
そこで、部屋に物がなさ過ぎる事に、気が付いてうっかり言ってしまったのだった。
「あれ? 昴も家、出るのか?」
「・・・え? ミヤ、今・・・、なんて?」
「ん? 違うのか? 俺も今、荷造りしてて・・・・」
「なんで?」
「だから、外部の大学受けたて・・・あれ?言わなかったけ?」
其処まで言って、自分がドデカい墓穴を掘っていた事に気が付いた。
そうだった・・・、あのトレーニングを切っ掛けに、昴の事をただのカッコイイ幼馴染として見れなくて・・・だから、迷っていた外部進学を決めて、春からは一人暮らしをって・・・って
アレ?なんか雲行きが・・・???
「・・・僕、聞いてないんだけど?」
「・・・そうだっけ? い、言ったつもりになってたかもなぁ。」
嘘だ。あえて話題にしもしなかったし、大学も担任にも言わずに進路課に相談したんだ。
昴自身、そのまま大学まで進むと言って前に言っていたから、今までも進路について話したりする事は無かった。だから、昴は実家に残るものだと思って・・・、つい荷物の少なさに言ってしまったのだった。
高等部卒業まで、まだ1ヶ月はあるが都の部屋の荷物は新居へと、少しずつ運ばれていた。
だから、今の都の部屋もこの部屋の様に、ベットとデスク位しか無かったのだ。
それに、明日から卒業式迄自由登校になるから、最後にと思って昴に誘われるまま部屋に着てしまったのだった。
や、ヤバイ。昴のあのトーンは、ガチなやつだ。
「ねぇ? この3年間、なんで僕の事、避けたの?」
「い、いや・・・避けてなんて・・・。」
「本当に?」
シュルッツと、昴の首元からネクタイは抜き取られ、ブレザーを脱ぎ捨てながら、都へと近づいてくる。一歩、一歩近づく昴に、本能なのかなんなのか・・・思わず、後ずさってしまう。
ポフっと背中に、ベットが当たれば、そのままベットの上に乗り上げる位、都の本能は迫りくる昴から逃げようとしていた。
「けど、今も、避けてるよね?」
「こ、これは・・・、す、昴が向かって来るからで・・・。」
「僕が嫌いになった?」
「え?」
都をベット上の壁際迄追い込んで、急に悲壮感を漂わせながら、昴は顔を俯けた。
「ミヤは、僕が嫌いだから・・・、だから、高等部でクラスが別れても平気だったんだ・・・。」
「な・・、ち、違うって!」
「メールも、僕よりクラスの子への方が返信早いし・・・。」
「め、メール? そ、そんな事無いだろ?」そもそも、携帯に電源入ってる時間の方が短いのに?
「たまたま、一緒に居たんだよ。ミヤのクラス委員と。」
「は? そ、そうなのか?」
「珍しいよね、ミヤが3分もしないで返信するなんてさ・・・。」
「・・・そう・・かな?」
お、覚えてない!!しかも、3分とかなんで解るの?え、何??タイムアタックでもしてたっけ??
それでも、まだ昴は顔を上げないで、言い続ける。
「やっぱり、僕からの連絡は邪魔だったんだね。」
「そ、そんな事、無い!!朝のメールも、夜のメールも、その・・・う、嬉しかったし・・・。」
「・・・本当に?」
「あ、ああ。た、確かに返信は少なかったり、遅かったりしたかも知れないけど、それは・・・その・・・。」
単に、恥ずかしくて何を返したら良いのか解らなっただけで、毎朝「おはよう、今日も夢にミヤが出て来てくれて嬉しかった。」だの、「今日も、夢に出てきてね。おやすみ」だの来る事は、嫌でも邪魔では無かったし、むしろ、ミヤの夢にも昴が出てきたりする事があったから、一緒で嬉しいとすら思っていたのだ。それこそ、クラスが別れた初日の夜は、「ずっと友達だ!!」と熱く昴と友情を交わした夢を見たりもした。
まぁ、最近は夢を見ると、朝下着を洗濯に出す事も増えてしまったけど。
だから、余計に昴に対しての返答が、出来なかったのだった。
「ミヤ?僕の事、嫌い?」
「え?!」
気が付いたら、目の前には昴が居た。
「ねぇ? ミヤ、答えてよ?」
「な・・え・・」
唇が触れそうな距離で、囁かれ、思わず都は顔を背けてしまったが、昴に顎を掴まれ、吐息と共に唇を塞がれた。
「ん・・す、昴!」
ドンッ
咄嗟に、昴の胸を手で押しのけたが、今度は噛みつく様に力強く口づけられる。
押しのけた手は、頭上で纏める様に掴まれ、都の上に、昴が覆いかぶさってくる。
「ミヤ、僕の事・・・嫌い?」
「す、昴・・ん・・や・・・耳・・」
首筋から耳元を舐め上げ、耳穴に囁いては舌を捻じ込み、都の耳朶を舐る。
チクっと小さな痛みと共に、首筋に赤く痕を残しては、昴はミヤに腰を押し付けながら囁く。
「ねぇ、一緒にトレーニングしてくれなくなったの?」
その囁きに、あの時の光景が思い浮かんでしまう。
飲みきれなくて、唇から零れる水。昴の首筋を伝う、汗。鍛えられ腹筋。その腹筋が、都の下半身を刺激している状況に、徐々に都自身が芯を持ち始める。
「ミーヤ、こっち向いて? ねぇ、なんでココ反応してるの?」
ゴリッ
「あっ・・・」
「ねぇ・・・、シャワー室で何したのか僕に見せてよ?」
「す、昴?!」
頭上で押さえていた手を片方、兆し始めた都自身へと添わせた。
「ねぇ。何してたのか、見せて?」
「ん・・、はぁ・・・あ・・・。」
ぐちゅぐちゅっと、先走りが指を伝い、滑りを良くしていく。
何度となく口づけられては、口腔内を蹂躙され、都からは喘ぎ漏れる声しか出せず、自身を握る手を昴の手が握り込んでいる。自分の意思なのか、昴によってなのか、もう解らなくなる程、都は何度も果てていた。
「すっごいね、ミヤのここドロドロ。」
「や・・・やめ・・・見るなよぉ・・・。」
「嫌だ。全部、見せて?」
「ん・・・ふッ・・・ふぁああ!!」
ぱたた
上顎を舐められ、舌先を食まれる感触に、思わず力が入ってその刺激で果ててしまう。
気が付けば、都の制服は脱がされ、最近気になっていた胸には、鬱血の痕が何個も付けられていた。
足に残っていた、ズボンも下着毎脱がされる。
「お、俺だけ、やだ・・・。」
目に入ってきた光景に、思わず泣きが入ってしまう。
少しだけ開けた胸元の他は、制服を着たままの昴。何度となく吐き出された都の飛沫に、シャツは濡れ、一緒に擦られていた昴の下半身は都のモノでドロドロになっていた。
「す、昴も脱いでくれよ・・・。」
思わず、正面から睨見上げる様に昴の顔を見ると、一瞬息を詰めたと思ったら、見た事無い様な顔でキスをされる。
「ん・・んっつ。 あ・・・す、昴。」
与えられてキスに夢中になって、いつの間にか自由になっていた手を昴の首に回していた。
つぅっと、離れる唇から透明の糸を舌が追いかけてしまう。
「ふふ・・・ミヤ、僕とのキス。そんなに好き?」
「・・・ん・・うん。 ふ・・あ、す・・・好き・・・。」
キスの合間に吐息混じりに問われれば、同じ様に答える。
酸欠状態、酩酊状態・・・きっと、昴とのキスに脳が酸欠だったんだろう。
普段だったら絶対言わない言葉を、グダグダにそれもドロドロになっていた都は漏らしていた。
「キスだけ?」
「ふぇ・・・?」
「ミヤ・・・僕の事は?」
「・・・ん・・・はっっ・・ああ・・・」
キスの合間に弄られた胸の飾りだったそれは、すっかりと性感帯へと変わっていた。
器用に摘まんでは潰され、今では赤く育った小さな果実を、抓られ、痛みと共に刺激が脊髄を走る。
「ははっ、ミヤ、乳首だけでイッたの? かわいいなぁ・・・。」
「や・・・やだ。 なんで・・・ん、ん・・・」
「ほら、ミヤ・・・答えて?」
「え・・・な・・・に・・・ん・・・」
「僕の事、嫌い?」
グッチュッつ
「え・・・ああああああああ・・・。」
都の後孔に、昴の指が入り込む。
すっかり、弛緩していた所に急な異物感を感じ、都の思考が混乱する。
なのに、昴の問いかけは止まらない。散々出した自分のモノなのか、滑りのあるそれはぐちゅぐちゅと体内に音を響かせながら、都の中を暴いていく。
「ねぇ? 答えて?」
「ん・・・あ・・・す、すば・・・る・・・ん」
時折、蟀谷や頬にキスをされながらも、上も下も都の中を昴は弄るのを止めない。
「ほら・・・答えて?」
「え・・・あ、だ・・・ダメ。も、もう、で・・・でないから・・・」
「なら、言えたら、離してあげようか?」
つぅっと、散々都の胸を弄っていた手を、都の陰茎に添わせ根本を緩く扱き始める。
いつの間にか、後孔には指が増やされて居た。
「ほら・・言って?」
「あ、す昴・・・は、手・・・ん・・・」
「僕の事、好き?」
「ん・・・あ、す・・・んん・・・す、好き・・好き・・」
好き・・・。昴が、好き。一度口に出して仕舞えば、融けきった脳は、あふれ出る感情を止める事が出来なかった。好き、好き。昴、好き。
その言葉に答える様に、一層強く刺激された陰茎からは、サラサラとした透明な液体しか出て来なかった。同時に、中に3本に増えた指に、前立腺を刺激され、都自身にはもうどっちの刺激で自分が果てたのか解らなった。
余韻に震える身体から、指が抜かれ異物感に慣れ切った孔が、物欲しそうにクパクパとひくつく。
「はぁ・・・はぁ、す、すばる・・・?」
浮かされていた熱が少し下がり、さっきまで縋りついていた相手を手が探してしまう。
「す・・・すば・・う?!!」
「んっ・・・」
「えっつ・・・あ・・・ぁあ!!」
いつの間にか、うつ伏せにされ、ひくついていた後孔に熱くそそり立った昴の陰茎があてがわれる。
先端部分を無理に押し込めば、散々慣らされた孔は中へと導くように昴を受け入れていった。
「あ、ああ、や・・・ん・・・ぬ、ぬい・・・て、昴、ぬいて!」
「なんで? ここは、離したくないって・・・」
すりッ
「ああ!!」
みちみちっと広がり銜えたふちを指でなぞられ、背中にキスが落とされる。
ゆっくりと中に押し進める間に、止まっていた都への愛撫も再開される。
「ん・・ふぁう・・・す、すばぅ・・・うう」
「はは、ミヤ。可愛い。ほら、もっと鳴いて?」
「ん、ん。 や・・ああ、すば・・すばぅ、きす・・き、すし・たぃ・・・・」
口腔内を指で嬲られ、胸の頂きを捏ねられ、背中や腰にキスを落とされ、長い時間をかけて中に馴染まされたが未だに下生えが都に当たる気配が無い。その間、昴の熱が遠く、都は寂しさを感じていた。
きゅうきゅうと切なく吸いつく感触に、一瞬、息を詰める。
「っく・・・ミヤ。」
昴の手が、都の頬を撫でる。その手に無意識に摺り寄り中を締め付けてしまう。
「ああ、ミヤ。そんなに絞めないで。ねぇ・・ミヤ」
「ん・・あ・・」
「もう一度、言って?」
「え・・・あ・・・んあ、な・・・なに・・・を・・んん」
「ねぇ・・・僕の事、好き?」
「えっつ・・・ひゃああぁぁぁぁぁ」
どちゅっつ
一気に、全部押し込まれたのと同時に、都の陰茎からぽたぽたと雫が零れる。
尻朶を掴まれ、最奥へと付き進めれば、昴からは言語になっていない音が漏れ出る。
「ほら・・・言って?」
それでも、穿つのを止めない。都の開ききった口からは、涎が垂れでる。
そのまま顎を掴まれ後ろへと向けられる。
切望していた、口付ををされ、舌を吸い上げられる。
「ふんんぅ・・・」
「ミヤ、ほーら、言って?」
「ん・・・あ。。す、すばる・・・。」
「ん?」
緩く捏ねる様に動かされる腰の動きに、あと少しという飢餓感を覚える。
けれど、どこか遠くで赤ランプが点滅している気がする。
口に出したら、きっと最後。
もう、後戻り出来ないと。
「ほーら、ミヤ? 言って?」
「あん、ああ。す、すばる・・すばる・・・。」
「うん? うん・・・なぁ・・・に?」
「ああ!」
時折付けられる緩急に、生理的な涙が零れる。
あと、ちょっとなのに。
「ほら、ミヤ? イって!」
「ハッ・・・あ・・・、す、昴。ああ、すば、、昴好き」
ずん!!!
一旦緩く抜かれたそれを、最奥へと突き付ける。
目の前が白く弾けた。
「昴、好き。 ああ・・ん・・・あ、好き。」
穿たれる度に、零れでる声に昴の陰茎がより体積を増していく。
もう、何度目なのか、中に収まりきれなかった白濁が、抽出に合せ零れ泡立つ。
「ん・・・はぁ・・・ああ・・・。」
「・・っく・・はぁ・・・・ミヤ、ミヤ・・・。」
絶頂へと向け、一層強く激しく揺すり、都の最奥へと押し込む。それと同時に、熱い飛沫を中へと放った。
意識を手放した都を抱きしめ、まだ少し硬さの残るソレを引き抜けば、ゴップっと音が立つ。
その感覚に、無意識に身を震わした都に、昴は口付を落とした。
「もう、離さないから・・・。」
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