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第1話
コンコン…
「どうぞー」
ガラガラ
「先生…泣 」
診察室のドアが開くと、裸足でパジャマ姿の男の子が泣いていた。
「どうしたー?こっちおいで凪」
状況に慣れているのかカルテを見ながら口だけ動いた。
そう言われても泣きながら立ち尽くし、診察室に入ろうとはしない
「やだー!!泣きらい。せ、ん、せい、ぎらい!!泣」
どうやら何かに怒っている。
涙をポロポロこぼしながら顔も赤くして、泣きながら訴える。
「検査のこと?
怒っても泣いてもいいけど、やらないはないからね。」
そう言うと持っていたカルテを置き手を止めた。
椅子に座ったままくるっと回転して泣いている子の方を向きそう答えた。
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