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side. Subaru
「ひゃぁ~オレこーいうとこ来んの、兄ちゃん達と中学ん時来て以来だよ~!」
最年長の円サンが、一番子どもみたいにはしゃいでいる姿は…微笑ましい光景なんだけど。
対する俺の顔色は、かなり冴えない。
何故なら…
「ほらほら、昴クンに晃亮クンも急いで~!」
「…………」
いい年した男が3人。
うち2人は外見からしてガラの悪い、ヤンキーなわけで…。
全くもって奇妙極まりないメンツで遥々やって来たのは、
…────遊園地。
「遊ぼーなんて言うから。若いふたりには、こういうとこが良いかなって思ったんだけど…」
「初めて来た。」
「そぉなの!?楽しいよ~、遊園地!」
「……………」
何故こんな事になったのか…
加えて、どうして俺まで一緒なのかと言うと。
驚くなかれ、
晃亮が円サンにデート…のお誘いをしたから、らしい。
円サンにその自覚は皆無だったが…。
その際、行き先を円サンに委ねた結果、遊園地行きが決定したようで。
いきなり晃亮から週末に、円サンと遊びに行くんだと聞かされた時は、かなりショックを受けたのだが…。
それよりも更に上をゆく衝撃発言に、俺は言葉を失った。
『すばるも来い。』
晃亮に命令されたら、従うしかないものの…
まさに理解不可能な申し出に、
正直俺は、戸惑いを隠せなかった。
「うぁ~なんにしようかなあ?やっぱり最初が肝心だよね!」
どれ乗りたい~?とか言いつつ、パンフレット片手に勝手に歩き出す円サン。
対して遊園地とは無縁の俺と晃亮は落ち着いたもので。
見た目も円サンのが幼いし、背も低いから。
どっちが子どもか判りはしない。
こういう年上ぶらない自然な様も、
円サンの魅力なんだけど…。
「ふたりとも、日が暮れちゃうよ~早く!!」
かなり前方で両手を振る円サン。
チラリと見た晃亮は、まず無表情にしか見えないけど────…
(笑って、る…?)
長いコンパスですたすた追いつき、晃亮は円サンの目前で立ち止まる。
…と、
「わっ…なになに!?」
「ッ……!!」
…目を細め恍惚とした表情で、円サンの頭を撫でる晃亮の図。
円サンは照れ臭そうに俺を振り返り、助けを求めてくるものの。
俺は内心、メチャクチャ動揺しまくっていたから。
ただ苦笑うしかなかった。
「はぁ~…流石に絶叫マシン連チャンはクるね…。」
敷地内に設置されたテーブルに身体を預け、ぐったりする円サン。
「ふたりは、平気そうだね…」
寝そべったまま、俺と晃亮を交互に見やる。
「うぅっ…若いって良いよね~。」
「円サンもまだ18じゃないすか…」
嘘泣きだと解ってたけど、一応フォローしておく。
俺が会話しないと、間が持たないのが現状だったからだ。
「なにか、飲むか?」
そう申し出たのは晃亮。
あの晃亮が自らパシリを買って出るなんて、まずあり得ない光景だ。
「ん~シュワシュワするのが飲みたいなぁ~…」
鈴高のトップとも知らず、ここまで使いこなす円サンはもっと凄いと思う…。
「すばる。」
「あ、はい…。」
円サンを席に残して、ふたり売店を目指す。
とは言っても、さほど離れてはいないから。
円サンの様子位は確認出来た。
「メシも、食うか。」
時計を見れば昼を少し過ぎていて。
とりあえずホットドッグとポテト、ドリンクを買って席に向かった。
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