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寛太side2
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──あの・・・僕としてもらえませんか?セックス
俺がシェイカーを振っている時、最近よく来て1人で黙って飲んでたあいつが、突然真っ赤な顔で真っ直ぐな瞳で俺にそう言ったのは今でも覚えている。
「なに?俺の事狙ってたんだ?最近よく来て、1人でカウンターでやけに俺ばかり見てると思ったら。」
カウンターから身を乗り出しあいつに顔を近づけると耳まで真っ赤にして黙ってしまって。
いつもの俺なら、本気になりそうな相手は見極めて手を出さないのに、その時の俺は何故かあいつには興味が湧いたんだ。
面白半分・・・興味本位だったんだ、その時は。
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あいつの名前は柊(しゅう)と言って21歳の冴えない大学生だった。
大学の友達にゲイの子がいて、その子と話しているうちに自分もゲイなんだと最近自覚したようで、長年しっくりきていなかった気持ちが、まるでパズルのピースがハマった時のようにスッキリしたそうだ。
1か月前、その友達に連れられてたまたま来たナイトクラブでDJをしている俺に一目惚れしてしまい、それからは毎週1人で来ては黙ってカクテルを飲みながら俺をずっと見ていたんだとか。
───初めて男の人に抱かれるなら、好きな人がいいんです・・・
そう下を向いて恥ずかしそうにしている柊に俺は言った。
「俺は恋人は欲しくないし人を好きになったことがないんだ。だから君の気持ちには応えられないよ?そもそも俺は色んな男と快楽を楽しめればそれでいいの。それに1度抱いた相手は抱かないよ?」
そう柊に言うと
────周りの方に伺いました。寛太さんはそんな人なんだって。それでも抱いて欲しいんです・・・・
さっきまで恥ずかしくて下を向いていた顔を上げて、俺を真っ直ぐ見てそう言った。
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