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おまけ
(二人が別れた直後、瀬川視点)
俺は、瀬川洋一(34歳)、信玄金属工業株式会社の営業であり、絶賛婚活中のアラサーだ。
営業というメリットを生かし、得意先に知り合いを作っては、夜な夜な合コンを組んでいる。
ただ、若いころは楽しめていた合コンだが、いまは一夜限りという刹那的な出会いではなく、もっとおだやかで愛し合う関係、たとえば、会社の後輩とお得意様の営業のような、を求めている。
二人の仲は、機敏に敏い人間なら誰でも気づくほど、ラブラブだ。
商品開発をしていたときも、口論はするものの、灰谷(お得意様の営業マン)の瞳は、熱っぽくうるんでいたし、まあ好きなんだろうなと思っていた。
ただ、仕事と恋愛は別と考える派だったようで、口論することを厭わず、新作ボールペンのクオリティを高めていったのは、好印象だった。
その灰谷の恋人となったのは俺の会社の後輩である羽山だ。羽山も羽山で、灰谷が来る日はそれとなく髪の毛を整えていたり(いつもは寝癖がついていようとお構いなしなのに)して、お互い好意を持っているのはバレバレだった。
羽山は少し口下手だがいい奴なので、それとなく2人を応援したのはいい思い出だ。
例えば、2人で残業できるように灰谷がいなければできない仕事を羽山に割り振ったり、完成お披露目会のあとの慰労会で2人が隣り合うように席決めしたのも俺だ。
そのとき、灰谷が後日2人でご飯を食べに行こうと約束をとりつけたらしい。
商品が完成し、仕事がひと段落したある日、いつも残業する羽山が、そそくさと帰っていった。2人の飲み会だったみたいだ。
次の日、灰谷から謎のお礼LINEが来て、羽山のテンションが分かりにくいもののとても高く、これは付き合うことになったんだろうなーと察した。
名キューピット・セガワが爆誕した瞬間だ。
俺から見ても、灰谷はなぜ中堅文具メーカーに就職したのか分からないほど優秀な奴だった。
羽山も、うちの開発職の中ではピカイチの技術力だ。
お似合いの2人がうまくまとまってよかった。商談でもないのに、心からそう思えた。
灰谷は、キューピット・セガワがいろいろ気を回していたのは知っているだろうし、今度何かおごってもらおう。
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そう思い、後方キューピッド面をして2人を見守っていたのだが、付き合いだして1年ほどしたある日、目を血走らせた灰谷がうちの会社に走りこんできた。
その時ちょうど、羽山は出身大学の方へ、お世話になった教授に会いに行っていた。
あいつが、卒業してからもちょくちょく古巣に足を運んでいるのを知っている。口下手だが、人付き合いを大切にするところは、あいつの美点の一つだと思う。
それよりも、様子がおかしい灰谷に声をかける。
「おい、灰谷、どうしたよ?羽山はいま留守だぜ」
灰谷の会社は他社だし超お得意様なので、本当は敬語を使ったほうがいいのだが、灰谷は出会った当初から、敬語はいらないと言ってきた。
俺自身がお得意様なわけじゃないですし年下ですから、とのことで、めっちゃいいやつだ。
だから、羽山と灰谷が付き合えて、ああよかったなと心から思えたのに、なにやら不穏なことになっているようだ。
「…瀬川さん、おれ、康治のこと好きなんで、もう囲います。株で儲けてるんで、十分養えますし、苦労させません」
「…んん?いやいや、まあよくわかんねーから落ち着け」
そこにふらりとやってきたのは、パートの今野さんだ。
今野さんは、長年うちの会社で経理を担当している。今年50になるとのことで、少しおしゃべりで噂好きな一面はあるけれど、いたって気のいいおばちゃんだ。そこに今野さんが爆弾を落とした。
「あらぁ。灰谷のおぼっちゃん。このまえはどうも。あ、そうそう。いつになったら、婚約者のお嬢さんと結婚するの」
は?婚約者?お嬢さん?…情報が完結しないが、灰谷が浮気?二股?をしていたのは分かる。
「おい。おまえそんなことしてたのか」
羽山は無愛想で口下手な男だが、心は純情だ。それを弄んだのかと思い、おもわず声が低くなる。
「いやいやいや!違います!今野さん、何の話ですか?!」
「だってこの前、言ってたじゃない。結婚を考えたいくらい大事な恋人がいますって。それに、灰谷くんは宝刀文具店の跡取りでしょう。そう考えると、河野書店の娘さんが一番適任じゃない」
え?こいつおぼっちゃんなの?確かに宝刀文具店の社長、灰谷さんだったな。うっかりだわ。うっかりセガワ。
驚いている間に、灰谷が必死に否定する。
「いや、違います!付き合ってる人がいることは言いましたけど、相手のことは一言も言ってないですよね」
「そうだったかしら。私、てっきりとっても面白いネタ、ごほん、違うわね、おめでたいことを教えてもらったから、いろんな人に言っちゃったのよ」
のほほんとしているが、咳払いでごまかしたことが本音だろう。今野さんは悪い人ではないのだが、野次馬で出羽亀なのだ。
あーなんとなく見えてきたぞ。
おそらく灰谷は羽山から別れを告げられて、その理由はおそらく今野さんの噂話なんだろう。
でも、灰谷がそのことを今まで知らなかったってことは、何も言わずにフラれたっぽいな。それが当たってるなら…
「あー、灰谷、いまは一回出直したら?」
「なんでですか…?もしかして瀬川さんも康治のこと…?」
目が据わりはじめた灰谷は追い詰められた野犬のようだ。そんな男に待てを言う。
「いやいや。今野さん、そのこと人に話したのはいつごろだった?」
「ええと、灰谷の坊ちゃんから聞いたのが、2ヶ月前だから、そのころね。最近は鮮度が落ちちゃったから言ってないわ」
鮮度と言い切る今野さんはとんだゴシップガールだ。
「というと、羽山は少なくとも2カ月前にはこのこと聞いちまってたわけだろ。それで、今になって、お前に別れを告げるってことは一朝一夕で決めたことじゃないだろう」
「うっ…」
灰谷が図星をつかれたように、渋い顔をする。
「それに、いままで何も聞かれなかったってことは、お前は信用されてないんじゃないか?それか、このことが原因じゃないかもしれないだろ。他に何か言ってなかったのか?」
「い、ってません、でした」
灰谷の目が泳ぎに泳いでいる。ははーん、何か言われたんだろう。ま、そこは深く突っ込まねえよ。
「多分、羽山も頭がこんがらがってる。いま話しても、おそらく平行線になる。少し経ったら、ちゃんと話し合えるようにセッティングしてやっから。お前も一旦落ち着いたらどうだ?」
「はい…」
灰谷は自分がヒートアップしていたことに今更ながら気づいたのか、しおしおと納得した(ように見せかけて、俺の隙をついて羽山に会おうとしていたので、タックルして止めた)
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そんなこんなで、別れてから少しして、俺は羽山と灰谷を会わせるべく、どんな場にするか考え始めた。
灰谷は、あれから諦めきれない様子で弊社の周りをウロウロしており、最近その頻度が多くなってきている。(朝出社前に来ていたと思ったら、昼休みと就業後にもいる。羽山とは会っていないようだが、他に男ができていないかと見張っているようだ)
もうそろそろ限界なんだろうと思い、タバコをふかせながら、どうすっかなーと考える。
手っ取り早いのは俺が2人を誘って飲みに行くことだが、俺がガッツリ2人の腫れた惚れた話を聞いていたら、特に羽山は嫌がると思う。
恋愛の話をしてもよくて、それなりに個人とも話せて、上手くいけば2人でどこかへ行ってもよし、上手くいかなければ帰ってもよい場…
…合コンだな。うん、俺にはそれが精一杯だわ。いい案が考えつかねえ。むしろ、2人ともいい奴なんだから、まとまらなかったら、次を探せばいい。名幹事と呼ばれた俺なら、そういうメンバーを集められる。
まあ余裕だろ、余裕と締めくくり、メンバーを集めるためにスマホを取り出した。
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合コン当日、先に来ていた灰谷は、どこか命をかけた武士のような雰囲気を醸し出しているフラれたやつに復縁を申し込もうとするには、そのくらいの気合いが必要なのかもしれない。
ちなみに、灰谷には羽山が来ることを伝えたが、羽山には灰谷が来ることを伝えていない。
羽山は結構吹っ切れているのか、少し緊張しつつも、ぽやっとしながらやってきた。時間ギリギリなので、少し急いで来たんだろう。
先に入っていた俺たちを見つけられず、店の入口でキョロキョロと周りを見渡している。
それを見た瞬間、灰谷がボソリと呟いたのが聞こえた。
「やっぱりかわいい」
灰谷がどこかの臨界点を突破した。
「おう、羽山、こっちだぞー」
「瀬川さん。…?!」
俺の声が聞こえてホッと目線をよこした瞬間、羽山は灰谷を発見し、言葉に詰まっている。
「久しぶり、康治。席は俺の隣だって」
そんな羽山を尻目に、灰谷は肉食獣のような俊敏さで隣の席へと獲物を促す。俺はなんも言ってねえぞ。まあいいけど。
幹事らしく、乾杯を促す。少し話して自己紹介でもするかと周りを見渡すと、男性側の端の席に、羽山と、もはや羽山の方しか見ていない灰谷が見えた。
おいおいそんなに迫って大丈夫かと思っていたら、羽山がトイレに立って、それを追いかけるように灰谷が席を立った。
灰谷のアグレッシブさと急展開にびっくりする。正直合コンどころじゃねえ。
なかなか戻ってこないため羽山を助けに行った方がいいかと考えていたところ、ピロンとメッセージの着信音が聞こえた。
ー康治と俺、ちょっと抜けます。お金は後日支払います。
この文章だけじゃどうなったかは分からないが、2人とも大人だから大丈夫だろと気持ちを落ち着け、俺は抜けた2人の埋め合わせをすべく、知り合いにメッセージを送ることにした。
なんか灰谷は適当に後輩呼んだとか言って、羽山を丸め込んでそうだし。
(ここから攻視点です)
羽山康治は、とんだ小悪魔だ。
俺は灰谷樹。中堅文具メーカーの跡取り息子として親父の入社したが、古参の役員どもから創業者の父と比較される日々が続いて参っていたところ、康治と出会った。
俺はいつからか文房具を"売る"ことだけを目的にしていた。
なぜなら、その数字でしか親父を超えられず、会社の中で存在価値がないと思っていたからだ。
俺は理系の才能がなく開発職にはなれなかった、だから営業職として入社したのだが、いつのまにか成績が俺の物差しとなっていた。
だが、何度売上ナンバーワンをとっても気持ちは晴れることがなく、モヤモヤとした日々を送っていた。
そんなとき、下請会社ではあるが技術力ピカイチの信玄さんの協力のもと、全く新しいボールペンを開発することになった。
俺は営業としてその開発会議に参加することになった。
だが、開発のときに営業ができることといえば、完成した後にどう売るかという売り方を考えることだけだった。
そりゃできたものが素晴らしければ、俺だって売りまくるさ。俺がしたいのはもっと別の…
そこから先を言葉にできない日々が続き、表には出さないが不貞腐れる日々が続いた。俺は何がしたいんだろう。アオハルのようなことをつい考える。
そんなとき、信玄さんのところの開発職が、とても楽しそうに技術を説明していた。それが康治だった。
彼の技術に対する理解と、それを形にする技は素晴らしかった。会議も彼が引っ張っていっているようなものだった。
だから、俺は康治のことが最初苦手だった。俺がしたいことをしているような気がしたから。
そんなあるとき、会議終わりに、そのまま会議室に留まり、缶コーヒーを飲んでいたところ、康治がやってきた。
「ども」
軽く挨拶すると、康治も軽く会釈していた。
「…」
「...」
「灰谷さん、設計図のバネの強度どう思いますか?」
「...は?」
しばらくの沈黙の後、康治が唐突に会話を切り出す。
「いや、さっき、資料の切れ端に丸つけてハテナマーク書いてたのが見えたので…」
今日の議題はバネと内部のシステムについてだった。俺は毎回事前に資料を読んで思うことをメモしているのだが、それを見られたらしい。
だけど、俺は会議当日に言うことはなかった。営業が何を言ってるんだという顔で見られたくないというしょうもない理由で。
だからこそ、見られたという恥の気持ちから、口調がキツくなってしまった。
「いや、俺は営業だから。そこ考えるのがおたくらの仕事でしょ」
あー、これは帰ってから自己嫌悪するやつだと思いながらも口から出た言葉は取り消せない。
すると、康治の落ち着いた声が聞こえた。
「営業だからって…なぜですか?俺は素晴らしい商品を作るのに不要な意見なんてないと思います。灰谷さんの資料で、バネの強度にマルつけてあるのを見て、確かに今のままだとエラーが起きるかもしれないと思い始めて、灰谷さんの意見を知りたかったんです」
誰のものであろうと意見を尊重するそのフラットな姿勢は、俺の心の硬くなってた部分をするっと溶かしてしまった。
溶ける心を感じながら、少しだけ沈黙して、俺はこれまで言えなかった意見をおそるおそる口にした。
「資料のままだと少し先のバネの強度が強すぎて、ボールの摩擦でインク詰まりを起こしやすいんじゃないかと思う...」
「確かに…じゃあ、こうするのはどうですか?」
康治は俺の意見に理解を示してくれて翌日の会議に、俺の意見だと前置きをして、改良策を挙げていった。
誰も何も言わずに、受け入れてくれた。より良い商品を作るためにいるチームだ。俺がひよっていただけなんだろう。
そこから、俺は開発会議でちゃんと意見を言えるようになった。採用される意見もあれば、されないものもあったが、意見を言えるようになったことで、モヤモヤしていたことは少しずつなくなっていった。
文房具は素晴らしい。実用的なことに加え、数百円で人の心を満たせるのだから。
うちの会社の商品はリーズナブルなのに技術力が群を抜いている。そう思ったから、俺は親父の会社に入社した。
うちの文房具をよりよくして、そして沢山の人に使ってもらいたいと言う気持ちが全ての根本だと改めて気づけた。
そして、その気持ちは、いろいろな形で示していいんだと分かり始めた。そうしたら、役員どもの小言が気にならなくなっていた。親父は何も言わなかったが、経営会議に俺を呼んでくれるようになった。
仕事の方はスッキリしたものの、その一件から、俺は康治を見ると胸が高鳴るようになり、それが恋だと気づくのに時間はかからなかった。
俺に対して誠実に接してくれた彼と笑ったり泣いたりを一緒にしたい。口下手なところも仕事に一生懸命なところも魅力的に映った。
そうして意を決して告白してOKをもらえた時は、天にも昇る気持ちだった。手を繋ぐのもキスも大切に記憶に残るようにしたかった。
初めてだから、それ以上のことは一年くらい待ってくれと言われたときは、理性が切れかけたが、康治だから待ちたいと思ったんだ。身体目当てじゃなく、心まで欲しいと思っていたから。
そうして1年記念日の初夜はもちろん張り切った。
男同士だからちゃんとした準備が必要で、場所は俺の部屋になってしまったが、優しさだけ与えられるように強引な手は使わず、何時間かかっても、康治が快楽だけ追えるようにならした。
とろとろにして康治とやっと結ばれたという思いの中、朝起きたとき告げられたのは、「気持ち良くなかった」と「別れたい」だった。
その時の記憶はあやふやしている。
いきなりすぎて固まっている俺の横目に、部屋を出ていってしまった康治をすぐに追いかけることが出来ず、翌日会社に突撃したところ、瀬川さんに諭され、会えずじまいだった。
抜くとき焦らしたのがいけなかったのか。調子にのって少し奥を突いてしまったことか。でも、あんなに気持ちよさそうにしていたのに。いまでも甘くとろけた康治の声を思い出すと下半身が熱くなる。
最近は遊びも興を得なくなり、ヤリタイ盛りも過ぎたのだろうと思っていたが、康治を思い出すと、すぐ熱が戻ってくる。俺はもう康治しか考えられない。
もっかいグチャグチャにしたら、見直してくれるかな。
そんな半ば狂った持ちで瀬川さんがセッティングした合コンに来た。最初、康治は俺を引きずって来ないかなと思っていたら、即OKだったそうだ。
もう次の恋人を探してるってこと?俺はこんなに引きずっているのにと、目が据わってきたのが自分でも分かる。
合コン当日、瀬川さんが俺の様子を見て、少し引いていた。最初はちゃんと話し合おうと思っていたのに、俺から逃げるようにトイレに駆け込む康治を見て、逃してなるものかとつい追いかけてしまった。
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もう一度両思いになれた昨日、疲れて寝てしまい、起きたら康治が柔らかく隣で微笑んでいた。
「…おはよ」
「…こーじ、おはよう」
夢にまで見た光景が実現して、少しだけ涙ぐんでしまった。
「何で泣きそうなんだよ」
少し困ったように笑う康治が隣にいて、彼が隣にいない2ヶ月間は本当に狂うかと思った。
「…これからはずっと一緒にいて」
「おう」
その返事を聞いた瞬間、俺は顔がゆるゆるになった気がした。
男前に返事をした康治は、照れたのか、布団の中で寝返りを打ち、俺にそっぽを向こうとした瞬間、どエロい声が溢れた。
「…ァ」
ハッとしてシーツの中を見ると、どろりと出した白濁が、双丘の間から漏れ出してシーツに流れている。
これは後始末しようと思えばできたのだが、また朝になって逃げられないように、わざと康治のナカに残しておいた、俺の情欲の名残だった。
その様子がエロくて、俺の息子はすぐ元気になってしまう。
「い、いつき…」
後ろから抱きしめていたので、息子が硬さを取り戻したのが分かったのだろう。
肩をすくめて、耳を赤くする康治の肩に齧り付いて、許しを請う。
「…もっかい、だめ?朝だからいや?」
齧った部分を舐めながら聞くと、康治はぶるりと震えながら、声を出す。
「う、いい、けど……ぅあッ…!!」
いいと言われた瞬間、まだ熱く蕩けるナカに押しはいると、昨日出したものが音をたてる。
それを恥ずかしそうにする康治に一層駆り立てられて、康治のイイ場所を強く穿つ。そうすると耐えきれないようにエロい喘ぎ声があがる。
たまらず、後ろから突き入れていたものを引き抜き、康治を仰向けにし、脚を広げて、また挿入る。
「ああぁっ、あぅ…ッひっ…!!あっ…す、き、あぅっ!すっ、きぃ……っ」
そうして飛び出たのは、紛れもない俺への告白で、こんなのたまらない。お互いの手をぎゅっと握って、高みに昇っていく。
「…もっかい、好きっていって」
「やっ…あァ!!すき、いつき、すきぃッあッ…イ…くっ」
「俺も、愛してる…ッ」
世界一幸福な瞬間、脇に置いていたスマホには瀬川さんから「羽山、持ち帰んなよ」というメッセージが届いていたのだが、持ち帰ったわけじゃなくて、恋人なので浮気はダメよダーリンと連れて帰っただけですから。
終
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