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「ぁはっ……すげ、イイ……っ」
「ん……朝五がいいと、嬉しい」
「イイ……っ、はっ……もっと強くっ……ずっと……ずっと突いてっ……」
「わかった。ふ、ずっと、する」
男を抱くのは初めてだと気にする夜鳥は、肉欲の赴くまま乱暴に貪らず、朝五の言うことをよく聞く。
顔色のあまり変わらない夜鳥だが、実にそそる表情をするのだ。
熱っぽい息を吐き時折眉根を寄せて射精をこらえながら、朝五が望む通りの快楽を送り込んで腰を打ちつける。
「あ〜……ったまんねぇ……っ覚え早いな夜鳥……あっ…ふ、気持ちいいよ……最高っ……はぁ、ん……っ」
夜鳥の与える恍惚感に、朝五は艶のある声を漏らして酩酊した。
わざと快感を言葉にして、男を煽ることも忘れない。声を我慢せずにあげることはスパイスだ。
多少演技をすることもよくあるが、夜鳥とのセックスは不思議と満足度が高く、そうせずとも体が盛り上がった。
朝五はいつも、気持ちよく、気持ちよさそうに恋人とセックスをする。
おかげで夜に不満を持たれたことはない。感じやすく、ノリがいい。
「ふっ……朝五……」
「はっ……! あっ……!」
「俺、やっぱ下手くそでごめん、なのに……朝五に触れて幸せ……」
結合部が奏でる粘着音と共に、汗ばんだ肌がぶつかりぱん、ぱん、と破裂した。
ギシ、と軋むベッド。
引いては貫く。
オーダー通り激しい律動。
絡みつく媚肉を引きずってヌルリと退いた怒張が隙間を埋めようと圧着する襞同士を直後ゾリゾリと引き裂き、強かに直腸の曲がり角を抉るのだ。
朝五はシーツから背筋が浮くほどしなり、淫らな淫蕩は止まない。
そんな朝五の体を、夜鳥は感極まったように甘えながら、強く強く抱きしめる。
「こんなの知ったら……もうお触り禁止な他人じゃ、いられないな……」
夜鳥の男根が中でビクンと脈動するのを感じた。夜鳥も初めての男の中で絶頂を迎えようとしている。
夜鳥は朝五に出入りして、気持ちがいいのだ。そう思うと、朝五はたまらない。
胸が何度もキュウキュウと縮こまり、硬く勃起した屹立から迸りそうになる。
「夜、鳥」
「んぅ」
自身を慰めている手とは逆の腕を夜鳥の首に回し、健気な男の唇にちゅむ、と自分のそれを重ね合わせた。
角度を変えて何度も味わう。
鼻息がフゥフゥとかかる生温さもベッドじゃ興奮材料でしかない。
「んっ……ふっ…ぁ……っイク……イキそ……っ」
喉の渇きの赴くままに舌を差し込み夢中になって夜鳥の口内を貪ると、一定だった律動が小刻みで早いものへと変化した。
トットッと激しく追い上げる腰使いに、朝五の熱は押し出され、目の奥がチカチカと瞬き始める。
イク、イク、と繰り返すが、夜鳥は動きを緩めない。
「イク、も、っ夜鳥……っ」
「いいよ、俺も、限界っ……」
「──ン……ッッ!」
そうして汗ばんだ肢体を重ね合いながら深く穿たれた途端──朝五は肉悦の極致へ昇り詰め、ドク、と精を迸らせた。
絶頂と共にトロけた内部がぎゅぅぎゅぅとうねりを帯びてキツく収縮を繰り返す。
数拍ののち、咥え込んだ怒張の脈動を感じた。夜鳥も達したらしい。快楽を共有した愉悦の耽溺に浸り、ぼんやりと蕩揺する。
(……全然慣れてねーセックスなのに、すっげ、気持ちかった……)
「はっ……朝五、大好き……」
「あ……ぅん……」
出会いから散々言われたはずの夜鳥の言葉に、ピクン……と甘い戦慄きを覚える気だるい腰の中腹。
朝五は体の満足以上になにやら満たされていくような気がして、唇を噛み締めた。
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