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第13話 終

「お前、女とヤった時二回イッたんだよな?」 「それ、が、なに――……」  くすりと笑って、宣言をする。 「じゃあ、俺は倍の四回な」  至極楽しげな声で残酷な予告をしてやると、明の身体がびくりと震えた。肩が小刻みに震え始めたかと思うと、みるみるうちに全身にその振動が伝播(でんぱ)していく。 「っ……⁉ っやだ……っ、こんなのっ、あとっ――……」 「今イッたから、あと三回だな」  俺がゆるゆると抽挿を再開すると、先程まで強くしがみついていた明の腕が慌てて俺を引き剥がそうとした。しかし今度は俺が明を強く抱き込んで、彼を離さないようにする。 「あっ……ゆるしっ、てぇっ……も、むりっ、あ、あっ、あっ!」  明は力の入らない手で、俺の背中を叩く。 「ごめんっ……ごめっ……騙したことっ、謝るからぁっ! も、許し――…っ」 「俺を弄んできた分……何年分だろうな? まぁ、しっかり付き合えよ、明?」 「ひっ、ィ……!!」  悪辣(あくらつ)に嗤いながら明の耳孔をべろりと舐め上げると、明のペニスから精液とも先走りとも言えない液体がびゅくっと噴き上がる。 「何回でもイっていいぞ明。まぁ、俺はあと三回出すまで絶対ぇやめねぇけどな?」 「ううっ――…ごめっ……ごめ、なざっ、あっあっあああ――……!!」  俺の腕の中で甘やかな悲鳴を上げながら快楽に溺れていく明を見て、心の底から満たされるような心地を覚えていた。  ようやくたどり着いた衝動の「解」を大切に確かめながら、明にそれをぶつけ、確実に追い詰めていく。  (ただ)れきった「破壊衝動」に従うままに、俺は明をめちゃくちゃに壊していった。 ――ずっと、君の背中を見ていた。

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