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第126話
ひとしきり皆で笑いながら、蒼がおススメだという白菜やネギを購入して、蒼に礼を言いながら別の店へと歩き出す。蒼は最後まで「また来てね~」と言いながら手を振って皆を見送っていた。
そして周同様、行く店のすべてで可愛がられおまけを貰う雪也に驚きながらも、なんとか買い物を終えて帰宅する。雪也の腕から降ろされたサクラは楽しそうに歩きながら円座の方へ向かい、周は夕飯の準備、雪也は薬の調合を始める。何もすることのない由弦は突然暇になってしまい、どうしようかと首を捻った。しかし由弦という人間は根本的に紫呉とよく似ていて、考えることがとんと苦手だった。考えても答えが見えないのなら考えるだけ無駄。それならば動いて動いて動きまくって、その先に答えを見つければいい。そう結論付けた由弦は円座でサクラが気持ちよさそうに寝ているのをチラと確認して、雪也の方へ向かった。
「なぁ雪也。俺に出来ることってあるか? なんか必要な手とかねぇ?」
雪也や周がやろうと思っていても時間が無くて出来ないことなどがあればやるというつもりで由弦は訊いたのだが、雪也はコテンと首を傾げると逆に由弦へ問いかけた。
「由弦は何がやりたい?」
雪也としては由弦の意志を尊重しなければという配慮であったのだが、この問いは由弦には難しいもので、思わず眉間に皺を寄せながら首を傾げ、「う~ん」とうなり声を上げながら悩んでしまう。
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