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第246話
「どこの人かな? ここの近く?」
雪也の知っている所なら、話さえ通していてくれれば雪也一人で行くことも可能だと思ったが、蒼は店で待ち合わせしようと言った。
「親父も一緒に行くって言ってたから、その時に詳しく聞いて~。僕もあんまり親しくないから。向こうは僕のこと赤ん坊の時から知ってるから、良くしてはくれるんだけどね~」
物心つく前のあれやこれやを一方的に知られているというのは存外恥ずかしいものだ。蒼が苦笑するのもわかると、皆の間で微妙な沈黙が流れた。
「ま、まぁ、そういう事なら、明日お店に行くね。周、由弦、もし僕を訪ねてくる人が居たらそう伝えといて」
明日は誰かが薬を取りに来るという予定も無かったはずだが、それでも毎日誰かしら薬を求めて訪ねてくる。そういう時は名前と欲しい薬、あるいは症状を周たちが聞いて、帰宅した雪也に伝えてくれるのだ。いつも通りの願いに周は無言で頷き、由弦は「わかった!」と白い歯を見せながら笑みを浮かべる。そんな様子に無言で様子を見ていた湊は微笑みながら味噌汁に口をつけた。
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