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第301話

「雪也の何も知らないのに、雪也の苦しみをわかろうともしないくせにッ、綺麗ごとにもならないことを叫んで雪也を傷つけるなッ」  傷つけて良い権利なんて、誰にもない。ただ耐えなければいけないなんて、そんな理不尽を受け入れなくても良い。 「それしか道の無かった子供が、ただ必死に生きた。それだけだッ。それの、何が悪いッッ!!」  それだけなんだよ。そう、雪也にも伝わればいい。  不意打ちの水はともかくとして、その後のすべてを雪也ならば避けることができただろう。雪也の詳しい過去は知らないが、それでも彼が避けようと思えばいくらでも避けられたにも関わらず、あまんじてすべてを受け入れたことが周にはわかっていた。  綺麗な笑みを浮かべて、すべてを許容し、けれど自分を愛することができない。雪也は、そういう人間だ。  でも、もう良いはず。  だって、すべてを黙って受け止めるのは――痛いでしょう?

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