54 / 368
二十三日『天ぷらの日』
晴日の実家から届いた野菜をざくざく切って天ぷらにする。
――天ぷらは美味いんだけどなあ、掃除が……なあ。うわ、また油はねたし。
晴日の手伝いをしながら、信周は早くも憂鬱だ。だって、片付けや掃除をするのはいつも信周の担当だから。
「はい、味見」
そんな信周の気も知らず、晴日が揚げたてのかき揚げを一つ信周の口元に差し出した。
「うん、美味い」
「うへへ」
新鮮な野菜にサクサクの衣、そして可愛い晴日。憂鬱なんてすぐに忘れる。
【参照◇二月七日『ふるさとの日』】
ともだちにシェアしよう!