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二十六日『世界格闘技の日』

「それでね、あのね……ノブくん?」 「……んー?」 「もう、ノブくんってばぁ」 「んあっ?」  ソファーにもたれた信周は動画ばかり見てちっとも相手をしてくれない。晴日は痺れを切らし、突然信周に馬乗りになって、闇雲に抱き付き足で挟み込んだ。スマホを奪い取られた信周はなぜか目を輝かせる。 「誘ってんの?」 「え、やっ、違っ……」  次の瞬間、あっという間に形勢は逆転、今度は信周が晴日を抑え込んだ。

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