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二十八日『パフェの日』

 喫茶店の前を通り過ぎる晴日のペースが徐々に遅くなり、ついに立ち止まった。その目はずらりと並んだパフェのサンプルに釘付けになっている。 「食べたいの?」 「う、ううん」 「ふうん、じゃ行こうぜ」 「えっ、行っちゃうの?」 「……」 「……」  晴日は信周の腕を掴んでもじもじと引っ張った。 「……やっぱ食べる」 「ははっ、食べたいと思った」    信周は笑って晴日の肩に手を回し、喫茶店のドアを押した。

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