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七日『香りの日』
「あれ? ノブくん、なんか今日いつもと違う匂いがする」
すれ違いざまに晴日はスンと鼻を鳴らした。
「ああ、俺のシャンプー切らしてたからハルの借りた」
「えへへ、一緒の匂いだぁ」
晴日は信周に抱き付くと、くんくんと匂いを嗅ぐ。
「俺明日バイト休みだから、大学終わったら詰め替え買っとくね」
「あ、助かる。さんきゅーな」
「いいよ」
そう言って晴日はもう一度信周の首筋に顔を埋めた。スーッと大きく息を吸いこむと、シャンプーの香りに交じって、大好きな信周の香りがした。
【参照◇四月二日『シャンプーの日』】
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