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十二日『洋食器の日』

「あっ」    配膳途中によろけた晴日の短い声と同時に、カランカラーンと音を立ててスプーンが床に転がった。   「大丈夫?」 「うん、だいじょぶ……」  とっさに抱きとめてくれた信周の腕の中で、晴日は小さく頷いた。 「気を付けろよ」 「ん」    信周が落ちたスプーンを拾う。それを見つめる晴日の顏は、少しだけ赤い。

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