196 / 368
十四日『ひまわりの日』
マンションの花壇のひまわりが咲いた。晴日が自転車を取りに行く間、信周はひまわりを見上げて待っていた。
――ひまわりってハルみたいだよな。明るくて、いっつも元気くれるもんな。
晴日とひまわりを重ねて見ていると、ふいに傍から声がした。
「ひまわりってノブくんみたいだよね」
「え?」
いつの間にか隣に晴日がいる。ひまわりの花を見上げながら晴日は言った。
「まっすぐで力強くてぇ、太陽みたいなの」
晴日は今度は信周を見上げると、ふふふと笑った。
ともだちにシェアしよう!