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十八日『光化学スモッグの日』

 ぶおぉぉん、ぶおん、ぶぉん  けたたましい音を鳴らしながら、バイクが通り過ぎていった。 「けほっ、うぇ、目痛……」  排気ガスが目に染みて、晴日は思わず目をこすった。 「ハル大丈夫?」 「ん、ノブくんは何ともないの?」 「ああ、俺は眼鏡してっからな」  伊達メガネをした信周が、目をしばたかせる晴日の目じりについた涙をそっと拭った。  

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