231 / 368
十八日『高校野球記念日』
「はあ、青春だねぇ」
甲子園を見ていた晴日が感動で目をきらきらさせている。
「俺の青春はぁ、歌とぉ……ノブくん(ごにょ)」
「ん? 何て?」
よく聞こえなくて振り向いた信周に、晴日は「えへ」と笑ってごまかした。
「ねえ、ノブくん。俺カラオケ行きたい」
「そうだな。カラオケかあ、久し振りだな」
実は高校時代は合唱部だった晴日。今でもカラオケは大好きだ。
――きっとまた松山千春メドレーを延々と聞かされるんだろうな。
苦笑いしながら信周が頷く。なんだかんだいっても、柔らかい晴日の歌声が大好きなのだ。
ともだちにシェアしよう!