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十八日『高校野球記念日』

「はあ、青春だねぇ」  甲子園を見ていた晴日が感動で目をきらきらさせている。 「俺の青春はぁ、歌とぉ……ノブくん(ごにょ)」 「ん? 何て?」    よく聞こえなくて振り向いた信周に、晴日は「えへ」と笑ってごまかした。   「ねえ、ノブくん。俺カラオケ行きたい」 「そうだな。カラオケかあ、久し振りだな」    実は高校時代は合唱部だった晴日。今でもカラオケは大好きだ。    ――きっとまた松山千春メドレーを延々と聞かされるんだろうな。  苦笑いしながら信周が頷く。なんだかんだいっても、柔らかい晴日の歌声が大好きなのだ。

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