――記憶にない。 「ん……っふ」 　どうしてこの男、もとい歳下の上司である遥に抱きしめられてキスされることになったのか。 「気持ちいいですか？　口の中、すごく暑い……」 「も……やめ……」 「どうしてですか？　あなたから誘って来たのに」 「んぅ……っ、ちが……っ」 「違う？　俺、すごく嬉しかったのに嘘だったんですか？」 　子供の戯れではない、舌を絡める深い口づけにクラクラしていると、遥の手がカッターシャツの裾から滑り込んできた。その指は節々がガッシリしていて、長くて、へその辺りを撫でられただけなのに、下半身が熱くなる。 「葵さん、もう一度言ってください」 「な……にを……？」 　俺の唾液で光る唇を舌で舐めて、遥は妖しい笑みを浮かべた。 「『遥にキスでイカされたい』……あなたが先ほど言った言葉ですよ」 　その言葉に、俺はズボンまでシミが出来るほど達していた。 End……？