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第10話 僕のドキドキゴロゴロ

僕はまたもやベッドで考え事だ。今日は昼休みにあっくんと話した。久しぶりに会ったあっくんは急に大人びていて、僕は妙に恥ずかしくなってしまった。僕の切った髪をよく似合うって言ってくれた。嬉しい…。 僕、他の人なんかどうでもいいや。あっくんが似合うって言ってくれたら満足。僕ってあっくん好きすぎじゃない?フェンス越しに僕の指を優しく握ってくれて、何だか胸の奥からじわじわ感じるものがあったなぁ。何だろ。 『俺、いつも理玖が大事だから。それだけは覚えてて。』あっくんは何でそんな事言ったんだろう。僕のこと、嫌ってないってことだよね。僕、うっかりアルファじゃなくても仲良くしてなんて口走っちゃった。あっくんびっくりしてたみたい。 ミコトがアルファはアルファ以外と仲良くしないって言うから、なんかつい。大体、あっくんが何のバースか知らないのに。でもきっとαかなって思うけど。 涼兄より背は高いし、昔から頭も良くって、かっこいい…。αってそんな感じじゃなかったかな?彗兄もαだけどそんな感じだし。うちの学校はアルファ率が高いので有名らしいし。 僕は…、身体もどんどん周囲の成長ぶりと引き離されて、男らしいかって言えば…どうだろう。はぁ、凹みそうだからあんまり考えないようにしよう。僕は僕だ。バース教育は4年生にならないとやらないから、今度図書館で本探してみようかな。 家族にバースの事聞くのは恥ずかしいし、教えてもらうのも何だか怖い。だって、僕自分がアルファじゃない気がするんだもの。あ母さんはΩだって知ってるけど、女だし…。男のΩだったら、結婚とかどうなるんだろう…。ベーターなら? でもいつも父さんと母さんは凄いラブラブでちょっと憧れる。他の親を知らないからあれが普通だと思ってたけど、ミコトのとこは親が二人ともアルファだから、ラブラブじゃないって言ってた。そんなカップルもいるんだ。 ほらね、やっぱり知らないことばかりで、僕は万が一自分がΩかβだった時のために、事前に詳しく知っていた方が良い気がする。やっぱり母さんに聞くべき?でもなー、やだなぁ。 僕は一人でそんな事を考えながらゴロゴロとベッドの上を転がり続けた。いつの間にか涼兄が僕のベッドの側に立っていて、僕を見下ろしていた。 「理玖、何いつまでもゴロゴロしてるんだ。ベッドがギシギシうるさいよ。…それと、今日、篤哉に別れ際何て言ったんだ?何か篤哉がショック受けてたみたいだったぞ。」

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