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第87話 夜の海を眺めて※

 「ぁんっ、ダメ…。声我慢出来ないよ…。」  僕はホテルの部屋の浴室のジャグジーに浸かりながら、あっくんに抱き抱えられていた。夜の海が見渡せるこのジャグジーはこのリゾートホテルの売りらしく、目の前は一面の海だった。  今はひたひたと打ち寄せる大きな波の音が、暗い海から響いてくるばかりだ。開け放たれた窓から潮の匂いがやって来て、僕はそれよりも、夜の海に僕の声が響きそうで恥ずかしい。 「…大丈夫。理玖の甘い声なら、波の音に消されるよ。」  そう言いながら僕を膝に股がらせて、後ろから悪戯し続けるあっくんの指先が、さっきから僕を翻弄するんだ。執拗に僕の胸の尖を摘んだり、押しつぶすから、その度に僕はビクビクと身体を仰け反ってしまう。  僕のうなじを何度も甘噛みすると、僕はもっと噛んで欲しくて後ろが濡れてくる。もう噛んであるというのに、僕のうなじは何度でもあっくんに番にされたいと疼くんだ。 「はぁ、理玖の匂い凄い…。俺、我慢するの大変。」  あっくんは僕の耳に口づけながら、後ろから手を伸ばして、泡の中の僕のすっかり昂ったそれをそっと握った。 「あんっ、触ったらダメ…。直ぐ出ちゃう。んっ、あ、あぁ…。」  僕は待ち望んでいた刺激に腰をびくつかせながら、硬く張り詰めているあっくんの剛直にお尻を押し付けた。揺らめく気泡のお湯の中でもハッキリ存在感を主張する、僕だけの美味しそうな、その硬くて柔らかくて逞しいそれを感じて期待に震えた。 「あ、こら。悪戯しない。…理玖、待てないの?」  僕は興奮してドキドキする心臓に、あっくんの大きな手を重ねて言った。 「…はぁ、もっと。焦らされて心臓破裂しそう…。」  あっくんは、耳元でゴクリと喉を鳴らすと、少し上擦った声で僕に言った。 「じゃあ、こっち向いて立って?俺に捕まって…。」  僕はふわふわした気分であっくんに言われるままあっくんの座っているジャグジーの段差に膝立ちした。僕の腰とお尻を掴んだあっくんはおもむろに僕のぶるんと勃ちあがったそれを口内へと招き入れると、美味しそうにしゃぶり始めた。  焦らすように、ちろちろと撫で回したかと思えば、急に口いっぱいに吸い込んだり、僕は翻弄されて甘く喘ぐことしかできない。自分でも馬鹿みたいに後ろが濡れてるのがわかって、僕はあっくんの厚みのある肩に指を食い込ませて頼んだ。 「あっくん、あ、後ろもイジって…。んっ、お願い…。」

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