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第9話 やっと隣に並べた(10)★

「俺のナカ、気持ちい?」 「……気持ちよすぎ。正直、挿れただけでもうヤバい」 「うは、なんか照れるし」 「お前は? 苦しくねえの?」 「ん、ちょびっとだけ苦しいかな。明のデカくて……はは、すげー腹いっぱい」  苦笑を浮かべつつ、正直に打ち明ける。  明は「馴染むまで待ってる」と言って、動かないでいてくれた。その気遣いが嬉しくて、千佳がぎゅっと抱きつけば、相手も同じように返してくれるのだった。 「明、俺のこと大事にしてくれて……あんがとな」 「どうしたんだよ、急に」 「んーん。好きだなあって思っただけ」  ちゅっ、と軽くキスをする。明は驚いたように目を瞬かせたあとで、ふわりとした微笑みを見せてきた。  優しげな笑顔に見惚れているうちに、逆に唇を奪われて舌を絡めとられる。  最初は優しく交わすだけだった口づけが徐々に深くなり、やがて互いの唾液を交換しあうものへと変化していった。何度も角度を変えながら、貪るように求められて頭がぼうっとしてくる。  ようやく解放されると、明は千佳の耳元に顔を寄せて言った。 「そろそろ、動いていい?」  熱っぽい声音に息が詰まりそうになる。千佳が返事をすれば、ゆるゆると明の腰が動き始めた。  明は遠慮がちに抜き挿しを繰り返し、そこから少しずつ動きを大きくしていく。次第に律動が激しくなって、肌同士がぶつかりあい、体の奥から粘着質な水音が立った。 「うあっ、あ、あン、あぁ……っ」  それまでとは打って変わって激しい抽挿に、もはや千佳は声を抑えることができず、恥ずかしげもなく喘いでしまう。  突かれるのも、擦られるのも気持ちがいい――明のものを包み込んでいる内壁が、ひっきりなしに収縮していた。それに呼応するかのように、明の動きも激しさを増していく。 「すげ……締まる――」  その声にドキリとしたのも束の間、パンッと乾いた音を響かせて、明は一層強く腰を打ち付けてきた。最奥を突き上げられ、足先から脳天まで快感が電気のようにほとばしる。 「ひあっ、あ、あぁ……!?」  千佳は大きく体を仰け反らせる。突然の強い衝撃に目の前がチカチカとして、腰の震えが止まらない。  にも関わらず、明は腰を掴んでガクガクと揺さぶってくる。ベッドのスプリングを軋ませながら、内壁を抉るように鋭く突かれ、千佳は必死に明の体へとしがみついた。 「あっ、あ、だめ、明っ……そんなふうに、したらっ」 「嫌? それともイキそう?」 「イキそうっ――ケツだけで、イッちゃいそうだからあ……っ」 「っ、千佳……」

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