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前世の記憶 アスミ4

 契約精霊についてと、過去作(異世界編)キャラなどの説明回になります。 ルコの異世界小説を読まれた事がある方、そういうのはいらないと思われる方は、流し読みかスルーでお願いします。 ーーーーーーーーー  ここでちょっとこの世界の契約精霊について説明する。 まずは魔族の場合。  魔力が多い魔族は、幼い頃に精霊と契約する。大概は精霊の方から寄って来て、契約を持ちかける事がほとんどだ。 精霊たちは精霊界から魔族を物色し、自分好みの魔力を持つ者を探しているらしい。なので、見つけたら他の精霊に取られないよう、早めに契約してしまうってわけ。大体、自分の意思を持ち始める五歳くらいから十歳くらいまでに契約する魔族が多い。 魔王様クラスの魔力の持ち主なら、三歳くらいで精霊がわんさか寄ってくるみたいだけどね。 精霊は魔族の本質を見て契約するから、悪人は契約精霊を持てない。そして格の高い精霊は、魔力が高い魔族以外には見向きもしない。 だから格の高い精霊と契約している魔族は無条件で信用されるんだ。 精霊の序列は、猫科動物の強さと比例する。 一番強いのは虎。次にライオン、ジャガー、豹、ピューマ、ユキヒョウ、ウンピョウ、チーター、カラカル、オオヤマネコ、サーバル、猫、と続く。 そして、純白、漆黒が最上級。例えば猫でも、白猫や黒猫で、翼が純白か漆黒な者は格が高い(格が高いほど個体数は少ない。逆にチーター~猫の精霊の数はそれなりに多い)。 つまり、俺の相棒のミイは猫だけど漆黒なので、なかなかに格が高い精霊なんだ。    今の魔王、キョウ様の契約精霊は黒ジャガー、先代魔王のジュン様の契約精霊はライオンだ。そして、魔族最強と呼ばれるカグヤ様は白虎と契約している。ちなみにカグヤ様は先代魔王様の娘で現魔王様の妹君。次代魔王候補のショウ様とカグラ様の母君でもある。 魔王は世襲制ではないが、魔力の多さと精霊の格で決まるので、どうしても魔王様の身内から次の魔王が出やすい。 後は向き不向き。魔族最強のカグヤ様は、自由過ぎて国を治めるのには向かないと、自ずから魔王を辞退されたという。  契約精霊との関係をもう少し詳しく説明する。  契約精霊は契約者に憑依が出来る。そして憑依には段階がある。 まず普通の憑依。精霊が魔族の体に入り見た目は翼の生えた獣人になっているが、別々に人格が存在している状態。 この状態でお互いの意識を切り離す事も出来る。 で、完全憑依とは、魔族と精霊の意識が完全に同化し別人格の一個人となった状態で、戦闘能力も格段に跳ね上がる。 別人格と言っても、基本的には元の魔族よりの性格で、好戦的になる程度だけど。まぁ、元の自分を客観的に見れたりはするかな? 名前も魔族と精霊を合わせたものに変わる。俺も完全憑依した際には、アスミイと名乗っている。 と、ここまではASURA先生が創った設定。    そしてドラゴン族が持つ、伝説のドラゴン精霊を生み出したのはルイだ。 自分とショウが愛を育みながら次代魔王候補として成長していく話とともに、カグラがドラゴン族相手に無双する物語も書いていた。  ドラゴン族の場合も基本的にはあまり変わらないが、伝説のドラゴンの姿をした精霊は数が多くない。 バハムート、リヴァイアサン、テュポン、青龍、赤龍、黄龍・・・など、一つの種族につき一体しか存在しない。 例えば、バハムートと契約したドラゴンの寿命が尽き、精霊も一緒に亡くなってしまうと、次のバハムートが生まれるようだ。 そして伝説のドラゴン自体の種族数も少なく、全部で二十体くらい。精霊は魔力の多い者を好むから、どうしても王族と契約する事が多くなる。  だから市姫は、リュウセイの契約精霊に倶利伽羅龍王なんて聞いた事のないドラゴンにしたんだ。有名どころのドラゴンはすでに登場していたからね。  そして、そんな小説を引き継いだ前世の俺は、猫科動物の精霊でも伝説のドラゴンの精霊でもない、狼の精霊を創ったんだ。 ケンショーさんの契約精霊として。

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